在庫推移(数量)

在庫推移(数量ベース)は以下の計算式で求めています。

(ⅰ)集計期間開始月の初日の場合
在庫推移(数量ベース)=締め処理後前月の当月在庫数(Z020F.CURMTH_STOCK_QTY) + 入庫 - 出庫 - 在庫調整(棚卸)
(ⅱ)それ以外
在庫推移(数量ベース)=直前日の実際在庫数 + 入庫 - 出庫 - 在庫調整(棚卸)

「入庫」「出庫」「在庫調整(棚卸)」の条件はそれぞれ以下です。

入庫(日別の入庫数を表します): 以下の条件に従う在庫受払テーブル(Z030F) での対象品目の数量(QTY)

受払K(INOUT_DIV) = 1入庫 AND
在管K(DATA_CLASS_CD) IN ('12','14') AND 
在庫締日(STOCK_CUTOFF_DATE) <> [空値] AND
在庫受払日(INOUT_DATE)が指定した期間に属する。

※在管Kの12は受入(購入品の「受入入力」)、14は工程実績(製造品の「受入入力」)



出庫(日別の出庫数を表します):以下の条件に従う在庫受払テーブル(Z030F)での対象品目の数量(QTY)

受払K(INOUT_DIV) = 2出庫 AND
在管K(DATA_CLASS_CD) IN ('21','22','24') AND
在庫締日(STOCK_CUTOFF_DATE) <> [空値] AND
在庫受払日(INOUT_DATE)が指定した期間に属する。

※在管Kの21は出荷(製品の「出荷」)、22は出庫(材料として「出庫」(個別受注生産で使用))、24は工程実績(製造品の子品目を「出庫」)



在庫調整(棚卸):以下の条件に従う 在庫受払テーブル(Z030F) での対象品目の数量(QTY)

受払K(INOUT_DIV) = 3在庫調整(棚卸) AND
在管K(DATA_CLASS_CD) = 2A 調整 AND
在庫締日(STOCK_CUTOFF_DATE) <> [空値] AND
在庫受払日(INOUT_DATE)が指定した期間に属する。

※受払K=3は「在庫調整」、在管K=2Aは「調整」

 

計算例

❶2022年4月1日の実際在庫数= 7120 + 4160 – 4800 -(-100)
= 6580
4月1日は集計期間の初日なので(ⅰ)の式を用います。

❷2022年4月2日の実際在庫数= 2022年4月1日の実際在庫数 + 2530 – 3260 – 200
= 6580 + 2530 – 3260 – 200
= 5450
4月2日は集計期間の初日ではないので、(ⅱ)の式を用い、直前日(4月1日)の実際在庫数を使います。

❸2022年6月2日の実際在庫数= 2022年4月2日の実際在庫数 – 250 – 200
= 5450 – 250 – 200
= 5000

同一受け払SEQに同一品目の入庫・出庫が存在する場合

電脳工場で連続工程を運用している場合、途中工程では同一受払SEQで同一品目が出庫されて入庫されています。その為、連続工程が多い品目ほど出庫数・出庫回数が多くなってしまいます。
EX在庫診断では「製品を得意先に納める為の出荷」「親品目を製造する為の出庫」という意味の出庫数・出庫回数を可視化する目的として、同一受払SEQで同一品目の場合には以下の計算方法が適用されています。
•差分だけを入庫します。
 差分が0の場合は入庫=0とします。
 差分がマイナス(仕損)の場合はマイナス入庫とします。
•出庫数と出庫回数の計算から除外します。
この計算結果を元に「日別の在庫推移」「入庫数」「入庫回数」を計算します。
以下の計算例をご参照ください。

2022年4月1日に、品目コード1234567では同一受け払SEQ(1311)の入庫(4160)と出庫(4800)が存在します。
差分 = 入庫 – 出庫 = 4160 – 4800 = -640

また、2022年4月1日に、品目コード1234567では同一受け払SEQ(1312)の入庫(2530)と出庫(360)も存在します。
差分 = 入庫 – 出庫 = 2530 – 360 = 2170

差分だけを入庫し、出庫数の計算から除外すると、以下のデータになります。

2022年4月1日の実際在庫数
=締め処理後前月の当月在庫数(Z020F.CURMTH_STOCK_QTY) + 入庫 – 出庫 – 在庫調整(棚卸)
= 7120 + (-640) + 2170 – 0 – 0 -(-100)
= 8750