①入出庫数のヒストグラムを表示させる
在庫推移チャート画面の右側にある「出庫・入庫」タブをクリックすると、入出庫数のヒストグラムが表示されます。
②入出庫数のヒストグラムから分かること
入出庫数のヒストグラムはヒストグラムの形で各品目の入庫・出庫のバラつきを表します。
安心在庫、安全在庫を見極めるうえで、各品目の出庫のバラつきを評価します。このヒストグラムを通して、平均値や中央値の信頼度を判断したり、偏りがどのあたりに存在するか、標準偏差からバラつきが大きいか小さいか等を判断することができます。
棒グラフの赤カラムは平均値に該当する階級です。棒グラフのオレンジカラムは平均値±標準偏差に該当する階級です。
出庫数のカラムにマウスホバーすることで、ツールチップで「出庫数」「出庫回数」を確認することができます。
入庫数のカラムにマウスホバーすることで、ツールチップで「入庫数」「入庫回数」を確認することができます。
※共通設定で選択した集計期間を基にヒストグラムを構成しています。
③指標の説明
出庫・入庫の平均値、中央値、標準偏差の計算式は以下の通りです。
3.1.平均値
出庫数の平均値 = 集計期間の出庫総数 ÷ 集計期間の出庫回数
入庫数の平均値 = 集計期間の入庫総数 ÷ 集計期間の入庫回数
3.2.中央値
中央値の計算方法は二つの場合に分けます。
•場合①:集計期間の出庫回数(または集計期間の入庫回数)は奇数です。
この場合は、毎回の出庫数(または毎回の入庫数)を昇順に並べ、真ん中にある値を中央値とします。
•場合②:集計期間の出庫回数(または集計期間の入庫回数)は偶数です。
この場合は、毎回の出庫数(または毎回の入庫数)を昇順に並べ、真ん中にある2値の相加平均を中央値とします。
3.3.標準偏差
標準偏差は以下の計算式で算出されます。
出庫数の標準偏差 =√{[(1回目の出庫数-平均値)2+...+(最後回の出庫数-平均値)2]÷(集計期間の出庫回数-1)}
入庫数の標準偏差 =√{[(1回目の入庫数-平均値)2+...+(最後回の入庫数-平均値)2]÷(集計期間の入庫回数-1)}
※集計期間の出庫回数(または集計期間の入庫回数)が1より大きい場合は上記の計算式を適用します。
上記以外の場合は、デフォルトで「標準偏差=0」とします。
意味 | |
---|---|
s | 標準偏差 |
N | 集計期間の出庫回数(または集計期間の入庫回数) |
xi |
毎回の出庫数(または毎回の入庫数) |
x |
出庫数の平均値(または入庫数の平均値) |
計算例
以下のSP0001品目の入出庫データをご参照ください。
入出庫数の計算式についてはこちらでご覧ください。
❶出庫数
ITEM_CD (品目コード) |
ITEM_DIV (品目区分) |
DATA_CLASS_CD (在管K) |
INOUT_DIV (受払K) |
INOUT_DATE (在庫受払日) |
QTY (数量) |
3年 | 2年 | 1年 | 6ヶ月 | 3ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2020/02/15 | 66 | x | ||||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2020/05/15 | 102 | x | ||||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2020/08/13 | 80 | x | ||||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2020/11/11 | 75 | x | ||||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2020/12/26 | 100 | x | ||||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2021/03/26 | 50 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2021/06/24 | 120 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2021/09/22 | 90 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2021/12/21 | 90 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2022/02/04 | 95 | x | x | x | ||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2022/05/05 | 105 | x | x | x | ||
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2022/08/03 | 81 | x | x | x | x | |
SP0001 | 1 | 21 | 2 | 2022/11/01 | 130 | x | x | x | x | x |
在庫締日=2022/12/31
集計期間を「3年」に設定する場合、各指標を計算するために、2020/02/15から2022/11/01までのデータを使用します。
出庫数の平均値
=集計期間の出庫総数 ÷ 集計期間の出庫回数
=(66+102+80+…+130) ÷ 13
= 1184 ÷ 13
= 91.1 (小数点第1位に四捨五入しました)
毎回の出庫数を昇順に並べると、次のような一連の数値になります。
50, 66, 75, 80, 81, 90, 90, 95, 100, 102, 105, 120, 130
真ん中にある値は「90」なので、「90」を出庫数の中央値とします。
出庫数の標準偏差
=√{[(1回目の出庫数-平均値)2+…+(最後回の出庫数-平均値)2]÷(集計期間の出庫回数-1)}
=√{[(66-91.1)2+…+(130-91.1)2]÷(13-1)}
=21.5 (小数点第1位に四捨五入しました)
集計期間を「6ヶ月」に設定する場合、各指標を計算するために、2022/08/03から2022/11/01までのデータを使用します。
出庫数の平均値
=集計期間の出庫総数 ÷ 集計期間の出庫回数
=(81+130) ÷ 2
= 211 ÷ 2
= 105.5 (小数点第1位に四捨五入しました)
毎回の出庫数を昇順に並べると、次のような一連の数値になります。
81, 130
真ん中にある2値は「81」「130」なので、「81」「130」の相加平均を中央値とします。
出庫数の中央値 =(81+130)÷ 2 = 105.5 (小数点第1位に四捨五入しました)
出庫数の標準偏差
=√{[(1回目の出庫数-平均値)2+…+(最後回の出庫数-平均値)2]÷(集計期間の出庫回数-1)}
=√{[(81-105.5)2+(130-105.5)2]÷(2-1)}
=34.6 (小数点第1位に四捨五入しました)
出庫数の平均値、中央値、標準偏差の計算式を適用すると、以下の計算結果が出ます。
❷入庫数
ITEM_CD (品目コード) |
IEM_DIV (品目区分) |
DATA_CLASS_CD (在管K) |
INOUT_DIV (受払K) |
INOUT_DATE (在庫受払日) |
QTY (数量) |
3年 | 2年 | 1年 | 6ヶ月 | 3ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2020/01/01 | 150 | x | ||||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2020/03/31 | 100 | x | ||||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2020/06/29 | 20 | x | ||||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2020/09/27 | 150 | x | ||||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2021/02/09 | 200 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2021/05/10 | 150 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2021/08/08 | 50 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2021/11/06 | 250 | x | x | |||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2022/03/21 | 150 | x | x | x | ||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2022/06/19 | 100 | x | x | x | ||
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2022/09/17 | 200 | x | x | x | x | |
SP0001 | 1 | 12 | 1 | 2022/12/16 | 300 | x | x | x | x | x |
在庫締日=2022/12/31
集計期間を「1年」に設定する場合、各指標を計算するために、2022/03/21から2022/12/16までのデータを使用します。
入庫数の平均値
=集計期間の入庫総数 ÷ 集計期間の入庫回数
=(150+100+200+300)÷ 4
= 750 ÷ 4
= 187.5(小数点第1位に四捨五入しました)
毎回の入庫数を昇順に並べると、次のような一連の数値になります。
100, 150, 200, 300
真ん中にある2値は「150」「200」なので、「150」「200」の相加平均を中央値とします。
入庫数の中央値 =(150+200)÷ 2 = 350 ÷ 2 = 175
入庫数の標準偏差
=√{[(1回目の出庫数-平均値)2+…+(最後回の出庫数-平均値)2]÷(集計期間の出庫回数-1)}
=√{[(150-187.5)2+(100-187.5)2+(200-187.5)2+(300-187.5)2]÷(4-1)}
=85.4(小数点第1位に四捨五入しました)
入庫数の平均値、中央値、標準偏差の計算式を適用すると、以下の計算結果が出ます。