不動在庫

①不動在庫のABC分析一覧

ABC分析画面で、「不動在庫」タブを選択すると、不動在庫のABC分析一覧が表示されます。
電脳工場の長期在庫一覧から最終入庫、最終出庫の品目を見つけることができますが、最終入庫は最近だけど3年前に入庫した在庫がまだ残っているかどうかまでは分かりません。不動在庫のABC分析一覧を見ると、古すぎる在庫が多い品目を把握できます。それに基づいて、在庫の評価を落としたり、廃棄の対象になる品目を見つけることができます。


 

②指標の説明

CSVアップロード完了直後、不動在庫ランキング一覧には以下の指標が表示されます。
さらに多くの指標を表示したい場合は、こちらをご覧ください。
※共通設定で選択した集計期間を基にランキングを構成しています。

不動在庫とは
不動在庫とは長期間に出庫されずに残っている古い在庫を意味します。

最古受入日
集計期間で品目の最も古い受入日を表します。

1年以上前の在庫金額
1年以上前の不動在庫金額を表します。計算式は以下の通りです。

1年以上前の不動在庫金額=1年以上前の不動在庫数×直近の受入単価

※1年以上前の不動在庫数=直近の当月在庫数 – 受入日が1年未満の日別の在庫数
※受入単価の計算式はこちらをご参照ください。

2年以上前の在庫金額
2年以上前の不動在庫金額を表します。計算式は以下の通りです。

2年以上前の不動在庫金額=2年以上前の不動在庫数×直近の受入単価

※2年以上前の不動在庫数=直近の当月在庫数 – 受入日が2年未満の日別の在庫数
※受入単価の計算式はこちらをご参照ください。

3年以上前の在庫金額
3年以上前の不動在庫金額を表します。計算式は以下の通りです。

3年以上前の不動在庫金額=3年以上前の不動在庫数×直近の受入単価

※3年以上前の不動在庫数=直近の当月在庫数 – 受入日が3年未満の日別の在庫数
※受入単価の計算式はこちらをご参照ください。

累計比率
累計比率はABC分析の指標になります。不動在庫金額の累計比率は在庫金額の累計比率と同様に計算されます。

不動在庫金額の累計比率=対象品目を含む上位の不動在庫金額の合計÷絞り込みされた全品目の不動在庫金額の合計×100

 

③不動在庫数の計算例

計算方法は、以下の例とともに確認してください。
なお、先入れ先出し法を前提にしていますので、異なる運用をしている品目にはご注意ください。

例❶在庫がすべてプラスの場合
例❷在庫にマイナスがある場合A
例❸在庫にマイナスがある場合B
例❹最後の締め時点で在庫数がマイナスの場合

例❶在庫がすべてプラスの場合

2024年8月10日(7月末締め)の在庫数が1,000個の場合、この1,000個の在庫のうち最古受入日(最も古いものの受入日)は2021/8/10である。
1,000を超えるまで新しい方から受入数を足していく(=下表の受入数を下から順に足していく)と、以下のようになります。

[2024/7/23まで計算] 100
[2024/2/4まで計算]  300(100+200)
[2023/8/2まで計算]  400(300+100)
[2022/9/20まで計算] 900(400+500)
[2021/8/10まで計算] 1,100(900+200)

となるので、1,000を超える2021/8/10の受入分が今も100個残っているということになります。

受入日 受入数
2020/1/1 500
2020/2/5 700
2021/8/10 200
2022/9/20 500
2023/8/2 100
2024/2/4 200
2024/7/23 100

最古受入日:2021/8/10

1年以上前の在庫数
1年以内の在庫数は、2023/8/2までの受入数の合計なので、400個となります。したがって1,000との差である600個が、1年以上前の在庫数です。

2年以上前の在庫数
同様にして計算すると2年以内の在庫数は900個、2年以上前の在庫数は100個です。

3年以上前の在庫数
こちらも同様の計算をすると、3年以内が1,100個になり、3年以上前の在庫は0だということがわかります。

例❷在庫にマイナスがある場合A

現在2024年8月10日(7月末締め)の在庫数が1,000個の場合

例❶と異なるのは、2023/8/2の受入数が-100となっている点です。

受入日 受入数
2020/1/1 500
2020/2/5 700
2021/8/10 200
2022/9/20 500(400とみなす)
2023/8/2 -100(0とみなす)
2024/2/4 200
2024/7/23 100

EX在庫診断では、このマイナスの数値をそのまま計算に用いるのではなく、直前の受入のバランスを取っている、というふうに理解します(上の表では図示の便宜上、1年近い差ができています)。あとは例❶と同様の計算方法を用います。

最古受入日:2020/2/5

1年以上前の在庫数
例❶と同様に計算すると、300個が1年以内、700個が1年以上前の在庫となります(マイナス分が1年という境を超えてバランスされています)。

2年以上前の在庫数
700個が2年以内、300個が2年以上前の在庫です。

3年以上前の在庫数
900個が3年以内、100個が3年以上前の在庫です。

例❸在庫にマイナスがある場合B

2024年8月10日(7月末締め)の在庫数が1,000個の場合。

システムの最終締め日が2024/7/23で、サーバーにアップロードされたデータは最終締日から数えて5年に満たないという状況です。この場合、最終締日から5年前の1月1日を最も古い受入日として扱います。

受入日 受入数
在庫診断にアップロードされていない電脳工場のデータ(5年以上のデータ)
2020/1/1 1500(50とみなす)
2020/2/5 -700(0とみなす)
2021/8/10 100(0とみなす)
2022/9/20 -500(0とみなす)
2023/8/2 -100(0とみなす)
2024/2/4 -200(0とみなす)
2024/7/23 -50(0とみなす)

最古受入日:2019/1/1

1年以上前の在庫数:1,000

2年以上前の在庫数:1,000

3年以上前の在庫数:1,000

例❹最後の締め時点で在庫数がマイナスの場合

2024年8月10日(7月末締め)の在庫数が-200個の場合、現時点での在庫数は「0」、つまり古い在庫は残っていないと考え、ランキング対象外となります。
 

④1年以上前⇔2年以上前⇔3年以上前の切り替え

不動在庫のABC分析一覧で「1年以上前」「2年以上前」「3年以上前」三つのタブを切り替えることができます。
•「1年以上前」タブで、品目は1年以上前の在庫金額の降順に並びます。
•「2年以上前」タブで、品目は2年以上前の在庫金額の降順に並びます。
•「3年以上前」タブで、品目は3年以上前の在庫金額の降順に並びます。
一つのレコードをダブルクリックすると、該当品目の在庫推移チャートへ遷移します。
表示内容が見切れてしまう場合、項目の端をドラッグすることで見やすくなるように項目幅を調整することができます。