本記事は「EX在庫診断」と共通です。
在庫推移(数量ベース)は以下の計算式で求めています。
(ⅰ) 集計期間開始月の初日の場合 前月末の在庫数 + 入庫 - 出庫 - 在庫調整(棚卸)
(ⅱ) 2日~末日の場合 前日の実際在庫数 + 入庫 - 出庫 - 在庫調整(棚卸)
「入庫」「出庫」「在庫調整(棚卸)」の条件はそれぞれ以下の通りです。
日別の入庫数: 在庫受払テーブルで、以下の条件に従う品目の数量
● 受払区分 =「入庫」 ● 在庫管理区分 =「受入」または「工程実績」 ● 在庫締め = 済み ● 在庫受払日が指定した集計期間に属する
日別の出庫数: 在庫受払テーブルで、以下の条件に従う品目の数量
● 受払区分 =「出庫」 ● 在庫管理区分 =「部材の出庫」「自動引き落とし(MRP版)」「製品の出荷」 ● 在庫締め = 済み ● 在庫受払日が指定した集計期間に属する
在庫調整(棚卸): 在庫受払テーブルで、以下の条件に従う品目の数量
● 受払区分 =「在庫調整(棚卸)」 ● 在庫管理区分 =「調整」 ● 在庫締め = 済み ● 在庫受払日が指定した集計期間に属する
計算例

❶2022年4月1日の実際在庫数 = 前月末の在庫数 + 4,160 – 4,800 – (-100)
= 7,120 + 4,160 – 4,800 – (-100)
= 6,580
4月1日は集計期間の初日なので、前述(ⅰ) の式を用います。
❷2022年4月2日の実際在庫数 = 2022年4月1日の実際在庫数 + 2,530 – 3,260 – 200
= 6,580 + 2,530 – 3,260 – 200
= 5,450
4月2日は集計期間の初日ではないので、前述(ⅱ) の式を用い、直前日(4月1日)の実際在庫数を使います。
❸2022年6月2日の実際在庫数 = 2022年4月2日の実際在庫数 – 250 – 200
= 5,450 – 250 – 200
= 5,000
連続工程の場合(1度の受払で、出庫・入庫が行われる場合)
電脳工場で連続工程を運用している場合、途中工程では同一品目の出庫・入庫が繰り返されます。(入庫場所は異なります)
その為、連続工程が多い品目ほど出庫数・出庫回数が多くなってしまいます。
※連続工程・・・「品目構成マスター保守」で、一画面に複数行の工程を登録した場合を指します。
EX在庫診断及びEX在庫シミュレータでは、「製品を得意先に納める為の出荷」「親品目を製造する為の出庫」という意味の出庫数・出庫回数を可視化することが目的です。
そのため、このように(データ上は)何度も入出庫が登録される連続工程の場合には、下記の計算方法が適用されています。
•入庫の場合、差分だけを入庫します。
差分が0の場合は入庫=0とします。
差分がマイナス(仕損)の場合はマイナス入庫とします。
•出庫の場合、出庫数と出庫回数の計算から除外します。
この計算結果を元に「日別の在庫推移」「入庫数」「入庫回数」を計算します。
以下の計算例をご参照ください。

2022年4月1日に、品目コード”B130″では連続工程によるものづくりが行われました。
はじめに受払SEQ”1311″で入庫・出庫しています。
差分 = 入庫 – 出庫 = 4,160 – 4,800 = -640
また、別の受払SEQ”1313″でも、入庫・出庫が記録されています。
差分 = 入庫 – 出庫 = 2,530 – 360 = 2,170
入庫数を差分だけに絞り、出庫数を推移計算から除外すると、以下のデータになります。

2022年4月1日の実際在庫数
=前月末在庫数 + 入庫 – 出庫 – 在庫調整(棚卸)
= 7,120 + (-640) + 2,170 – 0 – 0 -(-100)
= 8,750
