QRコードに囲まれて(後篇)

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QRコードに囲まれて(前篇)

 QRコードQRコードと口にするけれどあの正方形は随分不思議な媒体である。もう随分と慣れてしまって、その不思議さをことさら意識することはなくなってしまっているが、いまいちど眺めているとQRコードがある種の生き物に見えないでもない。QRコードの中に含まれているあの大きな四角が眼かなにかに見えてきて、そうすると、新生物かのように見えてくる。白黒のパターン=模様も一匹一匹異なるので、その鱗のような肌をずっと見ていられるような気がしてくる。

 さて、前回はQRコードを用いる他のサービスをいくつか取り上げ、それらとの類似点や相違点をいくつかあげた。今回は、なぜQRコードは読み取りの角度が斜めだったり、汚れがついていたりしても読み取れるのか、そしてその読み取り結果を信用することができるのか、ということを見ていくことにしよう。なお、QRコードも進歩しており、様々な種類のQRコードが存在しているが、ここでは基本的な「モデル1」および「モデル2」を元に話を進めていく(EXQR現品照合は「モデル2」を使用している)。

 具体的な読解は、画像を見ながらがわかりやすいので、ここでは、QRコードの一件無秩序に見える模様の中には全体に秩序を与える部分がいくつかあるということを述べるに留める(詳細は参考文献に挙げた記事に記載されている)。その秩序とは、QRコードに正対したとき(「眼」が右下を除く三隅にある向きだ)に右下に並ぶ「モード指定」「データ内の文字数指定」と、「マスク」「誤り訂正レベル」である。白と黒は0と1とを示しているのであるが、この組み合わせで全体の読み方を方向付けるのである。「モード指定」はデータ型を示すもので、「数字」や「バイナリ」、「漢字」等を指定する。そしてその「データにおける文字数」も指定される。

 としたときに疑問が湧く。なぜ黒の面積がたくさんあるQRコード、あるいは白の面積がたくさんあるQRコードがないのか。と、ここで「マスク」が効いてくる。この「マスク」のおかげで黒と白とをバランスよく配置することができるようになっている。8つのパターンがあり、それに該当するマスの白と黒(0と1)を反転させるのである。だから、仮に0が並んでいたとしても、真っ白になることはないのである。

 こうして無秩序に見えるかのような白黒の粒々に秩序が与えられる。だが、それを過不足なく拾えるものだろうか。そこで「誤り訂正レベル」である。4段階あり、L,M,Q,Hの順に許容する誤りの比率が高くなる。Lで7%、Hで30%である。比率があがるにつれてQRコードは大きく(粒が細かく)なり、QRコードに正対したときの向かって左側にそのバッファとなるコードが記載される。

 QRコードにフルに情報を詰め込むのではなく、この誤り訂正レベル指定と、訂正のための部分を含ませることで誤読取が防がれるのである。

 決済サービスのような特に間違えることができないような環境で、汚れや傷の可能性にもかかわらずQRコードが媒体に用いられるのはこのような仕組みがあるからなのである。

 誤出荷の防止にも当然、そのような誤りを吸収するクッションが必要だ。今までは人の視認能力や、その確認の反復回数がクッションとされてきたが、そのひとつとして目下開発中のEXQR現品照合も役に立つことだろう。

 

参考文献

「肉眼でも読める!QRコード入門」, 最終閲覧 2022/11/11, https://web.quizknock.com/qrcode-nikugan.

「QRコードを人力で読み取る」, 最終閲覧 2022/11/11, https://qiita.com/amanao/items/b7c54a3c73a8301b2412. 

「QRコードの種類と大きさ、データ容量」, 最終閲覧 2022/11/11, https://www.keyence.co.jp/ss/products/autoid/codereader/basic2d-qr-types.jsp.

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