2025年大阪万博の開催目的でも言及された「SDGs」とは?

2025年大阪万博の開催目的でも言及された「SDGs」とは?

 持続可能な開発目標(SDGs)は、大阪・関西万博(以下、大阪万博)の開催目的でも言及されるなど、最近注目が高まっています。今回は、SDGsの概要と製造業との関連について解説していきます。


SDGs(持続可能な開発目標)とは何か?

 SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(外務省ホームページ)」に記載された2016年から2030年までに持続可能な世界を実現するための国際目標で、17の目標・169のターゲット・232の指標で構成されています。前身であるミレニアム開発目標(2001年策定)は発展途上国向けの開発目標だったのに対し、SDGsは先進国自身が取り組む普遍的な目標となっています。
 外務省がSDGsの概要と日本の取り組みを紹介する動画を公開しています。3分程度の動画ですので、ぜひご覧になってください。

 17の国際目標は下記の通りです。

SDGs

 ロゴは国際連合広報センターホームページよりダウンロード可能です。

 環境、人権、労働、教育など、様々な観点から目標が策定されていることが分かります。また、日本政府もSDGsの実現に向けて取り組んでおり、その取り組みは「持続可能な開発のための2030アジェンダと日本の取組(外務省ホームページ)」にて紹介されています。


SDGsは2025年の大阪万博の開催目的にもなっている

 大阪万博の開催目的は、ホームページで公開されています。こちらでは、「SDGs(持続可能な開発目標)達成の目標年である2030年まで残り5年となる2025年は、実現に向けた取り組みを加速するのに極めて重要な年」とした上で、「国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)が達成される社会」を目指すことを1つの目的として掲げています。もう一つの目的は日本の国家戦略Society5.0の実現です。 
 2025年の大阪万博に向けて、日本全体でSDGsに関係する取り組みが加速していくでしょう。特に万博が開催される関西では、SDGsへの注目がより高くなることが予想されます。2017年の末には、近畿経済産業局や国際協力機構(JICA)関西センターなどがSDGsに関連する知見の共有やSDGsの社会実装を目的とした「関西SDGsプラットフォーム」を設立しました。こちらのプラットフォームには民間企業を中心に、NPOやNGO、そして、地方自治体や教育機関など、約500の企業・団体が加盟しています(2018年12月18日現在)。こうした流れの中で民間企業もSDGs推進の一端を担うことになるでしょう。また、SDGs推進による自社への影響も考慮しておく必要があるでしょう。


製造業とはどのような関連があるか?

 もちろんSDGsは製造業にとっても無関係ではありません。外務省が作成した資料「『持続可能な開発目標』(SDGs)について」を見ると、「経済成長と雇用」「インフラ、産業化、イノベーション」などの目標達成のための具体策として「コネクテッドインダストリーズ」が挙げられています。当コラムでも、日本版インダストリー4.0として何度か取り上げてきましたが、SDGsの推進においてもコネクテッドインダストリーズは重要な位置づけとなるようです。

日本版インダストリー4.0『コネクテッドインダストリーズ』は中小企業が主役?

 また、同資料にもある通り、「実施手段」の目標(「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。」要するにSDGsに掲げた目標を達成するための仕組み作り)を達成する手段として、SDGsに賛同する企業へのESG投資を推進する仕組みが構築されそうです(ESG投資については「ESG投資時代、サプライチェーンの一翼を担う中小製造業はチャンス!」にまとめています)。部品の調達や外注加工など、関わる企業が多い製造業としては注目すべき観点でしょう。
 あるいは、SDGsの実現に向けては、省エネやエコというキーワードも重要になってきますので、「モノ」を作る製造業としては見逃せません。環境にやさしい素材や再生可能エネルギーの活用、そして、燃費の良い製品の開発など、今後さらにニーズが高まってくるでしょう。


 このように大阪万博の誘致に伴い注目が高まっているSDGsですが、製造業へも大きな影響が予想されます。さらに、万博の誘致によってSDGsを推進する動きは加速するでしょうから、民間企業としても迅速で柔軟な意思決定が求められるでしょう。

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