コラム『 今すぐ始める!「働き方改革」にはITツールの活用を』でご紹介したサイボウズの『kintone』が近年注目されています。最短3分で業務アプリが作成できるkintoneとは何か、何ができるのかをご紹介します。
kintoneは開発の知識がなくても、最短3分で業務アプリの作成が可能なクラウド型業務アプリ開発プラットフォームです。案件管理や進捗管理、日報管理などのアプリが、ノンプログラミングで作成できます。登録した情報は複数人で共有でき、目的に応じてデータを抽出し集計することも可能です。
ドラッグアンドドロップの操作だけでアプリを作成できるので、システム担当者だけでなく、業務の担当者が必要に応じてアプリを作成することができます。改善の必要があればすぐに修正でき、より業務に即したアプリの運用を行うことができます。
これまではExcelで作成したデータをメールで共有するなど、複数のツールを使用していましたが、kinotneではデータの入力、集計、共有、コミュニケーションの全てを1つのツールで行うことができます。従来の方法ではデータを更新した際も、クラウドやファイルサーバに最新のデータをアップロードし忘れるなど、情報共有が円滑に行われないこともありました。kinotneはアクセスすれば最新のデータが確認でき、修正やコメント入力ができるので、効率的な情報共有と円滑なコミュニケーションが可能になります。
それでは、kintoneで行う操作ごとに代表的な機能を紹介していきます。
はじめに、アプリを作成します。作成方法は以下の3通り用意されています。
ExcelやCSVを読み込んでアプリを作成します。作成したアプリのフォームを編集することもできます。
ストアに用意された100種類を超えるアプリから欲しいアプリをダウンロードして利用することができます。また、一度作成したアプリをテンプレート化することで繰り返しアプリを利用することができます。
データの入力画面をはじめから作成します。フォームはドラッグアンドドロップで作成できますので、プログラミングの知識は必要ありません。
作成したアプリには以下の機能を活用することができます。
kintoneでは、アプリ、レコード(Excelでいう行)、フィールド(レコードの各項目・Excelでいうセル)のレベルでアクセス権を設定することができます。閲覧・編集・削除できる権限をユーザーや組織ごとに付与することができます。レコード単位のアクセス権を設定すると、自分で作成したレコードのみ閲覧・編集できるように設定することも可能です。また、フィールド単位のアクセス権を設定すると、特定の情報だけを特定の人のみに公開することができます。例えば、社員情報アプリに給与というフィールドがあるときに、給与は人事部のみ閲覧することができ、他の社員は閲覧できないという設定が可能です。
業務フローに沿って、ステータスと担当者、承認経路を設定することができるので、現在のステータスや担当者を知り、いま誰がどのような対応をしているのかを確認できます。
ルックアップは他のアプリのデータを取得して利用する機能です。例えば、取引先の情報をまとめた取引先マスターアプリを連携させれば、取引先情報を入力するときに再度手入力する必要がありません。
アプリに登録された文字情報だけでなく、添付ファイルの内容も含めて検索することが可能です。ファイルを逐一ダウンロードして確認する必要がないので、検索効率が大幅に向上します。
集計したいデータを選択するだけで簡単にグラフや一覧表を作成することができます。グラフの種類は、円グラフ、折れ線グラフ、縦棒、横棒、クロス集計表など用途に合わせて自由に選択可能です。
kintoneに登録された情報は、任意の範囲を選択してCSVファイルに書き出すことができます。
スペースはチームで共有すべき情報を集約することができる機能です。資料やタスクの共有、掲示板を作成することでチーム内のコミュニケーションを円滑に進めることが可能です。スペースに選択したグラフを貼り付けることができるので、進捗の共有にも適しています。
社外の方と情報共有ができるゲストスペースもあります。スペースと同様の機能ですが、社内環境と分けることでセキュリティ上安全に情報共有が行えます。
ピープルはkintoneユーザー同士のやりとりが可能で、プロジェクトや部署など、組織の垣根を超えた交流ができます。また、他のユーザーからは見えないクローズドなやりとりも可能です。
プラグインやJavaScriptによるカスタマイズ開発により、kintoneの機能を拡張することができます。また、API連携等を利用して外部サービスや基幹システムとの連携も可能になります。Cybozu公認SIパートナーであるジョイゾーの開発事例や、サイボウズkintoneと連携するサービスを公開している「kintone 連携サービス」を確認すれば、カスタマイズでどんなことが可能なのかより具体的なイメージが湧くでしょう。
弊社のクラウド型EDIサービス『EXtelligence EDIFAS』もAPIを公開しているので、kintoneとの連携が可能です。kintone上のアプリで管理している受発注などのデータをEDIFASに連携させ、取引先に送信することができます。
また、従来では、カスタマイズはプラグインを利用したり、JavaScriptを記述する必要がありましたが、ノンプログラミングでカスタマイズも可能なツールも出てきています。
kintoneはCSVのインターフェースやAPIを備えておりますので、基幹システムのデータをkintoneに連携して活用することが可能です。また、kintoneのデータ更新や操作を外部システムに通知できるwebhookを使えば、外部システムとの双方向のやりとりを実現することも可能です。基幹システムとkintoneを連携させればより柔軟な仕組みを構築することができます。基幹システムとkintoneの連携シーンや、連携方法などは下記の記事をご覧ください。
日本語・英語・中国語(簡体字)に対応しているのでグローバルに活用することができます。アプリやフィールドなどの名称を言語ごとに設定できます。
kintoneはクラウドサービスなので、外出先でスマートフォンやタブレットからデータ入力・閲覧が可能です。またモバイル環境で利用できるように表示が自動変換されるので、最適化に時間や費用をかける必要がありません。
BASIC認証やIPアドレス制限など基本のセキュリティを標準装備しているほか、クライアント証明書を使って接続元を認証するオプションもあるので、外出先からでも安心して利用できます。
より詳しい機能については、kintoneの公式ヘルプをご覧ください。
以上の機能を組み合わせるとkintoneでさまざまなアプリを作成することができます。
kintoneを利用し、紙からExcelへの転記作業をなくすことで入力ミスを減らし、入力とチェックに要する時間を短縮することが可能です。また、外出先から利用できるので、日報入力のために帰社する必要がなくなるなど業務効率が上がります。
他にも、さまざまなkintone利用例があります。
ぜひ、kintoneで業務改善を実現してみませんか?