製造業に革命を起こす IIoT (インダストリアルIoT)とは?

製造業に革命を起こす IIoT (インダストリアルIoT)とは?

最近注目されているITキーワードとして、“VR”、“AR”、“ドローン”などが挙げられる中、今回は“IIoT”に注目します。IIoTとは何か?、そして製造業にIIoTを取り入れることで製造工程やシステム管理がどのように変化するのかをご紹介します。

その他のキーワードはこちらで取り上げているので、あわせてご覧ください。

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IIoTとは?

 IIoT(インダストリアルIoT)とはどのようなものでしょうか?コトバンクでは

IIoT (Industrial Internet of Things)とは、産業分野におけるIoTのことです。IIoTは、産業機械・装置・システムなどがインターネットを通じて繋がることによって実現するサービスやビジネスモデルを指す。製造業の生産効率・安全性の向上、サプライチェーンの最適化などを目的としている。

と説明されています。IIoTのインパクトはとても大きく、世界の主要な20か国だけでも2030年までに累積で10兆ドル以上の経済成長をもたらすと見込んでいます(Mark Purdy and Ladan Davarzani “The Growth Game-Changer:How the Industrial Internet of Things can drive progress and prosperity” Accenture)。日本だけではなく、欧米の先進企業はいち早く取り組みをスタートしています。


IIoTの活用事例

 では、実際にIIoTはどのような分野で活用されているのでしょうか。IIoTには多くのジャンルが存在しているのですが、今回は一例をご紹介します。

 CAD×VR

 IIoTの活用事例としてCAD×VRが挙げられます。製造業で使用するCADデータをVR空間に表現し、オフラインでの打ち合わせと同じように円滑に打合せを進めることができるシステムが既に存在しています。例えば、サイバネットシステムのAR/VRソリューションでは、遠隔地の人とVR空間内で、3D化されたCADデータに対してレビューすることができます。さらにそのCADのデータの細かな部分を拡大・回転させたり、付箋を付けたりしながらコミュニケーションを取ることができます。他にも様々なVRの活用例を取り上げていますので、下記のコラムもご覧ください。

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IIoTのセキュリティに対する不安

 IIoTには製造業の生産効率や安全性の向上が期待されますが、懸念されていることもあります。

 資産に対する攻撃の不安

 一つ目は、“資産に対する攻撃の不安”です。Genpact Research Instituteが実施したアンケートによると、経営者たちの50%がIIoTの導入でサイバー攻撃を受けやすくなると答えています[“TRANSFORMING INDUSTRIAL BUSINESSES WITH THE INTERNET OF THINGS” (p.9) Genpact]。ランサムウェアは数行のコマンドと暗号化アルゴリズムからなる軽いプログラムなので、処理能力の高くないIIoTデバイスでも作動し、サイバー攻撃を受ける可能性が高いことが主な理由でしょう。さらにランサムウェアが今後、巧妙化することやIIoTデバイスがより普及することを考慮すれば、よりIIoTのセキュリティに対する対策が求められます。

 スキル不足

 二つ目は、”スキル不足”です。IIoTを導入するにあたって、セキュリティに対するリスクが増加することから、従来より高度な対策を行うことが必要です。大企業であればIoT専門のエンジニアを雇用するか、外注することが可能でしょう。一方、中小企業では新技術のセキュリティ担当者を内部育成することは容易ではなく、大企業のようにコストを掛けれないため、ほとんどの企業がIIoTの導入に二の足を踏んでしまうでしょう。


今後のIIoTについて

 IIoTには“セキュリティ”や“コスト”に対する不安もありますが、メリットも大きいことが見込まれていますので、まずIoTに関するセミナーや勉強会などに参加し、「IIoTを導入することで何ができるようになるのか?」「業務がどのように変わるのか?」を感じ取ることが重要です。そこから実際に導入するかしないかを検討してみてはいかがでしょうか。下記コラムで、中小企業こそIoTに取り組むべき理由について紹介しています!ぜひご覧ください。

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