高まるサプライチェーンリスク!その対応策は?

高まるサプライチェーンリスク!その対応策は?

 ロシアによるウクライナ侵攻が大きなニュースとなっています。ウクライナという遠い国の話とはいえ、日本にとっても対岸の火事ではありません。既にサプライチェーンの寸断によって、日本経済に少しずつ影響が出ています。今回のコラムでは、そのようなサプライチェーンリスクとその対応策について考えます。

 

高まるサプライチェーンリスク

 ロシアがウクライナに侵攻し、日々その戦況は激しさを増しています。ロシアとウクライナの和解は進まず、第三次世界大戦のはじまりともいわれています。ウクライナと聞いてもあまり実感が湧かず、「日本には影響がない」と思われる方もいるかもしれません。しかし、今回のロシアのウクライナ侵攻は、日本にも大きな影響を及ぼしています。
 それが、サプライチェーンの寸断です。過去のコラムでも、地震や台風といった自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の拡大によるサプライチェーンの寸断を取り上げてきました。自然災害で取引先が被災し、生産に不可欠な部品等が供給されず生産ラインが止まってしまうケースや、感染症の拡大で海外の工場が停止する、海外からモノが届かないなど、サプライチェーンの寸断は事業の継続に大きなダメージを与えます。
 実際、今回のウクライナ侵攻による海外サプライチェーンの寸断を鑑みて、トヨタ自動車や三菱自動車、コマツ、日立製作所、日立建機が輸出や現地生産を停止することを発表しています。また、国内においても、ロシアからの輸入に頼っていたパラジウム、半導体の製造に不可欠なネオンの供給が止まることで、日本の工場での生産にも影響が出る可能性があります。
 このように他国間の戦争によっても、グローバル時代の現代ではサプライチェーンの寸断によって大きな影響を受けることになります。新型コロナウイルスの影響が緩和されつつあった中で、またも経済に大きな打撃となりました。これから先、何が起こるかは全く予想ができません。サプライチェーンリスクは、常に念頭に置く必要があります。

 

取引先の分散化の重要性

 では、サプライチェーンリスクにどのように対応をしていけば良いのでしょうか。まずは、取引先の分散化が挙げられます。取引先を分散させることで、仮に有事で取引先の1社が操業停止になったとしても、他の取引先でその分を補うことができます。結果、多少の影響は出たとしても、生産ラインを止めるなどといった大きなダメージは回避することができます。
 ただし、取引先が分散することで1社あたりの発注数量が減るため、ロットの大きい取引によるコストダウン効果は、1社集中に比べると下がることが予想されます。また、情報のやり取りという点においても、取引先が増えるほど手間が掛かるという難点はあります。
 そういった問題を改善するためには、部品の共通化を図って、部品毎の発注数量をできるだけ増やしたり、取引先との情報のやり取りはデジタルを前提とした標準化を図るといった取り組みが必要となってきます。しかし、技術的に難度が高い加工品や、高い品質が求められる材料など、すぐに代替となる取引先を見つけることが困難な場合もあるでしょう。また、取引先との情報のやり取りを標準化するには取引先の協力が不可欠です。時間をかけて取引先との摺り合わせが必要となります。
 取引先の分散化には時間が掛かるため、平時から準備を進めることが大切なのです。

 

BCP策定は急務の課題

 自社におけるサプライチェーンリスクを正しく把握し、その対策を練るには、BCP(事業継続計画)の策定が重要になります。BCPについては、過去のコラムでも紹介していますが、災害や事故など、万が一の事態が発生した場合の備えのことを指しています。BCPでは継続すべき重要業務を抽出し、事業をどう継続するか、事業をどのように早期復旧するかという視点から、事前対策、早期復旧の意思決定手続きまで計画することが含まれます。詳しい策定手順などは下記のコラムにてご確認ください。

何かあってからでは遅い!製造業におけるBCPの重要性とIT活用

 BCPの策定状況は進んでいないのが現状です。2019年時点で、BCPを策定している企業は、大企業で3割弱、中小企業で1割強と非常に少ない状況です。また、自然災害が毎年のように発生しているにもかかわらず、策定状況はここ数年横ばいです。

※出典:中小企業庁「2020年版中小企業白書」

 そういった中、先述のとおりサプライチェーンリスクが高まっている状況下では、自社のBCP策定のみならず、取引先のBCP策定も肝になってきます。「鎖(チェーン)の丈夫さは一番弱い輪で決まる」という言葉がありますが、サプライチェーンにも当てはまります。自社がBCPを策定して実行していても、サプライヤーがリスク対策を怠っていると、自社への影響は避けられません。取引先のBCP策定を加速させることが重要になるのです。

 

SCRMが経営の安定につながる

 サプライチェーンの寸断は事業に大きな影響を与え、最悪の場合は自社の倒産につながるリスクがあります。自然災害のみならず、感染症の拡大や不安定な世界情勢など、毎年のように大きな問題が発生しています。企業間でつながることが不可欠な時代であるからこそ、従来のSCMへの取り組みはもちろんのこと、サプライヤーのリスク管理を含めたサプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)まで考えることが経営の安定につながります。取引先の分散が難しいならば、まずはBCPの策定からでも大丈夫です。今できることから始めてみるのが大事です。

BCPの策定には、弊社の『EXtelligence SCB』がおすすめです。『EXtelligence SCB』は、弊社が提供する知的プラットフォーム『EXtelligence』のサービスのひとつで、クラウド型企業間グループウェアサービスです。アンケートや掲示板機能によって企業間の情報共有基盤を構築することができると同時に、取引先のBCP策定状況を確認し、サプライチェーン・マネジメントを実現することが可能です。よろしければ、ご確認ください。

 

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