働き方改革や生産性向上の重要性が増す中、製造業で働き方改革を実践しようと思うと何から手をつければいいでしょうか。生産性向上・働き方改革を実現する上で今、「ペーパーレス化」が注目を集めています。中小製造業でペーパーレス化するメリットと、実現するツールを紹介します。
ペーパーレス化は、随分と前から提唱されてきましたが、働き方改革、とりわけ「リモートワーク」といった、オフィスに依存しない働き方を実現するために再度注目が集まっています。
なぜ今「ペーパーレス」が再注目されているのか?(ITmedia)
工場に行く必要があるためリモートワークは無縁だと思われがちですが、中小製造業でもペーパーレス化を進めるメリットはたくさんあります。
・工場内で指示書をはじめとする書類を紙管理していると、ファイルを保管している事務所に戻るか、内線で誰かに確認してもらうといった作業が必要です。タブレットで内容を確認できれば戻る手間や人に確認してもらう手間がいりません。
・注文書や作業指示書などを紙で運用していると、受け取った情報を管理するためにシステムへの入力が必要です。注文内容や作業実績を最初からデータで入力すれば入力の手間がなくなります。
・各種書類を紙で管理していると、必要な情報を探すためにファイルを開いて文言を見ていく必要がありますが、データで管理しているとキーワードでの検索が可能なので必要な情報を見つける時間を短縮できます。
・ファイリングには、印刷にかかる用紙代やインク代、保管場所といったコストがかかりますが、ペーパーレスにすることで、これらのコストが削減できます。
・経費申請や稟議といった申請業務は、承認者が席にいることが大前提なので、外出などの場合は承認されるまで時間がかかります。申請・承認をシステム化すれば外出先での承認が可能になるので承認待ちの時間を減らすことができます。
ConMas i-Reporterは製造現場で使用する帳票類をタブレットで記録・報告・閲覧することを可能にするツールです。既定のフォーマットだけでなく、タブレットの特徴を活かし手書きのメモや現場の写真を合わせた帳票を作成できます。帳票のフォーマットは日頃使い慣れた帳票をそのまま使用することも可能です。
注文を受ける、注文を出すといった受発注をはじめ、見積り、出荷、仕入検収、支給といった企業間取引の情報をペーパーレス化することができるクラウド型EDIサービスです。EXtelligence EDIFAS上に帳票作成機能があるので、発注データを送ると同時に、日頃使い慣れたフォーマットの注文書をPDF形式で送信することも可能です。
また、EDIを活用することで、今後予定されているインボイス方式導入に伴う事務作業の軽減が期待できます。
業務アプリ作成ソリューションであるkintoneは、業務に合わせたアプリをプログラミングの知識なしで作成できます。日報や経費申請、顧客情報とひも付けた案件管理や問合せ管理など業務に合わせたアプリを自由に作ることができます。サンプルのアプリも用意されています。
ペーパーレス化は働き方改革の第一歩です。ペーパーレス化するためには必ずデータ化が必要です。まずは自社の業務の中で比較的データ化しやすい業務を探しましょう。一気に紙を無くすことができなくても、データの保存と紙の活用を併用しながらペーパーレスを目指し、一部の業務で完全にペーパーレス化ができたら次に、その業務とつながる業務、そして社内全体へとペーパーレス化を発展させましょう。