「ノンプログラミング」や「プログラミングレス」という概念が盛り上がってきています。
サイボウズが提供する『kintone』はドラッグ&ドロップでアプリの作成が可能なクラウド型業務アプリ開発プラットフォーム。リリースから6年で7000社以上に導入されています(2017年9月30日時点)。弊社内でも数名が『kintone』の認定セールスアドバイザ資格やkintone認定アソシエイトを有しています。
ノンプログラミングツールや超高速開発ツールを使えば、GUIによる設定やドラッグアンドドロップで開発ができるので開発工数が削減できますし、技術者でなくてもアプリケーションの開発や修正が可能です。実際に、技術者ではない方々が『kintone』でアプリを作成し、業務改善を行われた例も多数あります。kintoneについてはこちらで詳しく紹介しています。
また、ものがすぐにできるので細かい仕様書などを作成する必要性は下がりますし、できたアプリケーションから仕様書を生成できるツールやサービスもあります。今回は、『kintone』やEAI*のようにプログラミング無しで誰でもアプリケーションを開発できるツールやサービスが盛況な背景を整理していきます。
日々たくさんの製品が生産され、社会のニーズも様々に変化していきます。当然、全ての企業に変化の波は押し寄せ、スピード感を持って変化に対応することが企業の生き残りには不可欠です。そんな変わりゆく現場の業務に、システムだけ変わらずにいることはできません。また、EDIの2024年問題や、軽減税率制度施行によるインボイス方式導入などのように外部要因による大きな変化が求められることもあります。変えやすく、柔軟なシステムが求められています。
社会の変化も目覚ましいですが、技術の発展はまさに日進月歩です。日々新たな概念や技術が生み出されていますが、それらの技術にキャッチアップし続けることは容易ではありません。しかし、ノンプログラミングツールを使っていれば、ツール内に新技術、例えば、IoTを扱える機能が盛り込まれれば新技術への対応も容易です。
2016年9月、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置したことを契機に、「働き方改革」といった言葉が流行語になりつつあります。もちろん、この働き方改革の対象にはシステムを導入するSIerも含まれています。従来のシステム導入では、ヒアリングを行い、仕様書を作成し、そして、開発、導入、保守という一方通行のウォーターフォール型という開発手法で行われていました。しかし、この手法だと開発後に思ったものと違うものが出来てしまうことがあります。手戻りの発生による納期遅延、予算超過がSIerへの負荷になることも多くあります。ノンプログラミングツールを使えば実際にものを作りながら仕様を確定させることも可能なので、SIerの働き方改革が実現できます。
前述の問題から、ノンプログラミングツールはかなりのメリットが期待されていたのですが、ノンプログラミングツールに適した開発手法が確立、普及していなかったのも事実です。しかし、最近では短い期間で小さな単位の開発・リリースを繰り返すアジャイル開発や、開発者と運用者が協調しながらシステムを早く、確実にユーザーに届けるDevOps*などの開発手法が確立されてきました。これにより、ノンプログラミングツールを使った開発・導入も行いやすくなってきています。
まだまだ、昔から使っている社内システムを運用し続けている企業もたくさんあると思います。しかし、社内システムの管理者がいつまでも社内にいると言えません。2035年には団塊ジュニア世代が65歳以上になり始めます。今のシステムをずっと保守し続けることは難しくなるでしょう。ノンプログラミングツールを使えば、誰でも開発・保守が可能なので、特定のメンバーに依存することもありません。
従来のノンプログラミングツールもGUIでアプリケーションを作成できましたが、ソースコードを生成するものがほとんどでした。そうすると、結局はシステムの改修や保守のためにソースコードを編集する必要性が発生し、プログラミング知識のある人材が必要でした。しかし、近年出てきているノンプログラミングツールはソースコードを生成しないものがほとんどですので、改修や保守も専門知識がなくても行うことが可能です。また、こういったノンプログラミングツールに附随した、仕様書や設計情報を出力するツールが充実してきたことも一因でしょう。
さらに、従来のノンプログラミングツールでは複雑なシステムの構築は難しかったのですが、上述のkintoneのようなツールで基幹業務系のシステムを構築した例も出てきています。
ノンプログラミングツールは、うまく使えば工数の削減などによりコスト削減効果も見込めるものだったのですが、そのもの自体が高額でした。しかし、最近になってクラウドのサービスや月額課金のモデル、プラットフォーム型など、様々なビジネスモデルが生まれ、アップフロントやランニングにかかるコストが大きく削減されました。これによりノンプログラミングツール導入のハードルが大きく下がりました。
いかがでしたでしょうか。
ノンプログラミングツールは今後さらに盛り上がってくる分野だと思いますので、エクスとしても注視していきたいと思います。また、クラウド型EDIサービス『EXtelligence EDIFAS』も様々なノンプログラミングツールと連携していきます。
弊社の『EXtelligence EDIFAS』もQanat、ASTERIA WARP、ASTERIA WARP Core、DataSpiderをはじめとするEAI/ETLツールとの連携を確認しており、ご紹介も可能です。
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