業務の効率化、ペーパーレスなど様々な改善効果が期待できるEDI(Electronic Data Interchange)。EDIとは電子化されたビジネス文書(注文書や納品書、請求書など)を、インターネットや専用回線を通じてやり取りすることです。現在、受発注業務を効率化する「商流EDI」と決済情報を連携する「金融EDI」により、支払いをはじめとする全ての商取引の業務を完結させようとする動きがあります。
一般社団法人全国銀行協会では、現行の固定長電文から付帯可能なEDI情報を大幅に拡張するXML(eXtensible Markup Language)電文に移行し、新システムを稼働する予定です。
現在使用する固定長電文は、電文の長さや情報量が予め固定されており、EDI情報欄は半角20桁に限定されています。これに対しXML電文は、電文の長さや情報を自由に付与できる電文方式で、金融業務の通信メッセージに関する国際標準ISO20022でも本方式が採用されています。
情報量が限定的であった固定長電文から大幅に拡張されたXML電文に移行することで、決済情報に商流情報を付与することが可能になります。
図:全銀協「総合振込にかかるXML電文への移行と金融EDIの活用に向けて」(2016年12月)をもとにエクスにて作成
日本経済の再生に向けて設置された日本経済再生本部が2017年6月9日に開催した未来投資会議では、この「XML新システムの2018年の稼働と2020年の全⾯的な移⾏」を目指すと発表しました。
出典:未来投資会議(第10回)資料7「未来投資戦略2017 Society 5.0の実現に向けた改革」26頁 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai10/siryou7.pdf
更に、この金融EDIに付帯する商流情報の標準化に向け、中小企業庁では、2017年から「次世代企業間データ連携調査事業」に取り組んでいます。共通EDIとして弊社の「EXtelligence EDIFAS」もモデルプロジェクトに採択されています。
また、2018年度には中小企業の受注から入金までの決済業務を効率化するため、電子交換(EDI)システムの実証実験が「中小企業・小規模事業者決済情報管理支援事業」という事業名で実施される(中企庁HP「平成29年度 補正予算の概要 (PR資料)」P20)。
この新しい金融EDIの仕組みが運用されれば、どのような効果があるのでしょうか。
請求と支払いを紐づける「消込作業」を自動化できるので、決済業務を大幅に効率化することが見込めます。
現状では、受発注・出荷納品・検収という商流の中に請求がありますが、支払いは金融機関を通じて行います。受注側企業では、複数件まとめて入金された明細と売掛明細等に齟齬がないかを確認し、消込を行います。発注側企業に入金内容の確認を行う際も明細を確認する必要があり、消込作業は受注側・発注側ともに人手がかかってしまいます。
新システムでは、大幅に拡張されたEDI情報に納品書、製品名、数量など注文明細情報等を付帯させることが可能ですので、支払い情報の中にどの請求と紐づくかという情報を付帯させることで、消込作業の負担を減らすことができます。
図:全銀協「総合振込にかかるXML電文への移行と金融EDIの活用に向けて」(2016年12月)をもとにエクスにて作成
決済業務を大幅に効率化できる金融EDIですが、社内の受発注から請求までの一連の流れを販売管理システム等で電子化・IT化することはもちろん、金融EDIに付帯させる商流EDI情報も必要になってきます。そのため、EDIを利用して、企業間の取引を電子化・IT化することが望ましいです。
しかしながら、コラム「中小製造業はEDIを利用しているか?」でもご紹介したとおり、現状、中小製造業において商流EDIはあまり普及していないのが実情で、FAXやメールで受発注を行っている企業様が多くいらっしゃいます。中小製造業の現場ではITに対する抵抗が強い企業や、熟練した職員が現行の業務を行う方が商流EDIを導入して運用を変えるよりも効率が良いと判断し、導入を見送ってきた企業も多いと思います。
今回取り上げた金融EDIの動きにより、商流EDIを導入するメリットは大幅に増えると予測されます。
商流EDIを導入することで業務効率化が期待でき、金融EDI活用に向けた準備もできます。
この機に商流EDIを取り入れるのはいかがでしょうか。
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