2019年5月29日、日本マイクロソフトは日本でMR(複合現実)が体験できるゴーグル型機器「ホロレンズ2」を国内初公開しました。ホロレンズ2をはじめとするMR技術は製造業をどう変えるのか、MRとVR/ARの違いを含めて紹介します。
MRという言葉を耳にする機会が増えてきましたが、VRやARとはどう異なるのでしょうか。それぞれの違いを紹介します。
VRとはVirtual Reality(バーチャルリアリティ)の略称で、「仮想現実」と訳され、現実世界とは異なる仮想世界に”没入”したように見せる技術のことです。
2016年はVR元年といわれ、Oculus RiftやPSVRといったヘッドマウントディスプレイの登場、そしてスマホをセットして手軽に使えるダンボール式のGoogle Cardboardの登場で話題になりました。
ARとはAugmented Realityの略で、日本語では「拡張現実」と訳されます。VRが現実とは別に「仮想空間」を作り出すのに対し、ARではCG等のデジタル情報を加え、現実世界を拡張させるという特徴があります。2016年にリリースされた「ポケモンGO」はARが広く浸透した事例として挙げられ、現実世界にポケモンが出現したように感じることができます。
MRとはMixed Realityの略で、日本語では「複合現実」と訳されます。MRはVRとARの上位版のようなもので、仮想現実と現実世界を融合させる技術のことです。ARでは現実空間を主体としてデジタルデータを重ね合わせるのに対し、MRでは仮想世界を現実世界に重ね合わせることが可能です。
AR上では現実世界に重ね合わせたCG等のデータを操作することはできませんが、MRではVR同様にCG等のの映像を動かしたり拡大したり操作できるのが特徴です。
MRを活用することで製造業の在り方がどのように変わるか、様々な角度から紹介します。
MR技術で作業現場に製品のサンプルを投影することで次の作業や細部の作業の確認等を行うことが可能になります。また、建設のように複数人で作業を行う場合、仮想現実を共有することができるので、認識の祖語をなくし円滑に作業を進めることができます。それにより、経験の浅い作業者がベテランの手順を真似ながら作業の質とスピードを上げることが可能になります。
VRの事例同様、製造業の保守・点検が可能です。オペレーターが現地に向かい、MR上のマニュアルで設備の点検マニュアルを呼び出し、確認することができます。動画中の1分30秒近くにあるように、作業内容が不明なときにオペレーターを呼び出して、現実空間にマークをしながら具体的な指示を出すことが可能です。
MRを活用することで、現実空間上に設計シミュレーションや設置シミュレーションをすることができます。動画では製造現場のレイアウトシミュレーションを行っています。
SB C&Sとホロラボが製造業・建設業向けに共同開発したAR/MR可視化ソリューション「mixpace」は設計、製造、建設、配置シミュレーション、施工、保守などの場面で、AR/MR技術で原寸大の3Dモデルによる可視化を行うことができます。
いかがでしたでしょうか。SFの世界で見ていたような光景が現実になりつつあります。MRのような最新技術は中小企業ではまだ活用できないと思い込まず、活用例を考えてみると自社の課題を解決するきっかけになるかもしれません。