新型コロナウイルスの感染者数は未だ増加の一途を辿っています。厚生労働省によると、2020年4月21日12時時点において、国内での新型コロナウイルスの感染者数は11,119例、死亡者は186名となりました。緊急事態宣言の対象地域は7都府県から全国に拡大し、新型コロナウイルスとの戦いはまだまだ終わりが見えません。前回のコラム「新型コロナウイルスとBCP」で述べたように、新型コロナウイルスは人体に大きな影響を及ぼすのみならず、経済にも甚大な影響を及ぼしています。中小企業や個人事業主を中心に、大きな影響を受けており、ますます厳しい状況になることは明らかです。今回のコラムでは、そのような厳しい状況を少しでも打破し、前向きな経営の手助けとなる、政府からの給付金や補助金に関して整理していきたいと思います。
経済産業省のホームページでは、新型コロナウイルス関連の支援策が一覧で案内されています。経営相談や資金繰り支援、給付金、テレワーク導入支援など、ジャンルは多岐にわたっています。給付金に関しては、「持続化給付金」が紹介されています。持続化給付金とは、新型コロナウイルス感染症拡大によって大きな影響を受けている事業者に対して支給される給付金であり、法人の場合は200万円、個人事業者は100万円となっています。売上が前年同月と比べて50%以上減少している事業者、また資本金10億円以上の大企業以外という条件はありますが、新型コロナウイルスで経営が傾いている事業者は利用できるかどうか検討する価値はあるでしょう。
持続化給付金に関する最新のお知らせや、よくあるお問い合わせ等は経済産業省のホームページに記載されています。是非一度ご確認いただければと思います。
補助金に関しては、生産性革命推進事業の公募が始まっています。中小企業・小規模事業者等が革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下、ものづくり補助金)」、中小企業・小規模事業者等が生産性向上のために行うITツール導入を支援する「IT導入補助金」、小規模事業者等が経営計画を作成して取り組む販路開拓等を支援する「小規模事業者持続化補助金」の3つが該当します。下記では、それぞれの補助金について整理していきたいと思います。
●ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、前述の通り、中小企業や小規模事業者等が行う投資に対して一部を支援してくれる補助金です。ものづくり補助金には事業類型が複数存在しますが、現在は一般型のみの公募を実施しています。機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費と補助内容が幅広いので、多くの事業者にとって活用しやすい補助金と言えるでしょう。
今年度のものづくり補助金は、例年と比べて大きく変化しています。3ヵ月おきに通年で公募されることや事業実施期間が10ヵ月に倍増されること、また手続きが電子化されることなど、例年より申請、活用しやすい内容となっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大と事業者への甚大な影響から、2次締切分より補助率を引き上げた「特別枠」が創設されています。通常枠ならば補助率が2分の1であるところを、特別枠ならば3分の2まで引き上がります。その他にも、特別枠は優先的に採択されることや申請要件が緩和されるなど、様々なメリットがあるので、自社が申請要件を満たすならば「特別枠」での申請をおすすめします。
2次公募の締切は2020年5月20日なので、今からの準備でも間に合わせることが十分に可能です。詳しくは公式ホームページにてご確認ください。
●IT導入補助金
IT導入補助金とは、前述の通り中小企業・小規模事業者等のITツール導入を支援するための補助金です。2020年4月20日の時点で、「通常枠(A、B類型)版(暫定版)」と「特別枠(C類型)版(暫定版)」の公募要領がホームページで公開されています。
通常枠のA、B類型は、補助率や補助対象という点では共通していますが、補助下限額・上限額や内容面では相違があります。A類型は補助額は30万円~150万円未満であるのに対して、B類型は150万円~450万円となっています。またプロセス数(ソフトウェアが持つ機能により生産性が向上する工程、あるいは効率化される工程のこと)に関しても、A類型は必ず1つ以上のプロセスを保有するソフトウェアを申請することが条件ですが、B類型は必ず5つ以上のプロセスを保有するソフトウェアを申請することが条件になっているなど相違があります。2020年の公募スケジュールは、2020年6月上旬~2020年12月下旬と予定されており、6月、9月、12月と三回にわたって締切が設けられる予定です。
一方で、特別枠のC類型とは、新型コロナウイルスでの影響に対して、サプライチェーン毀損への対応や非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境整備といった具体的な対策に取り組む事業者によるIT導入等を支援するために設けられたものです。通常枠のA、B類型とは若干の相違があります。例えば、補助率が3分の2であること、補助額が30万~450万であること、また補助対象にハードウェアのレンタル費用が追加されている点などが挙げられます。加えて、補助対象経費を2020年4月7日~2020年5月10日の期間に遡って申請できるという点も特徴的です。特別枠の2020年公募スケジュールは、2020年5月上旬~2020年12月下旬までと予定されており、こちらも複数回にわたって締切を設ける予定であると公表されています。
このように、通常枠、特別枠共に12月下旬まで締切が設けられる予定なので、今から準備すれば十分に活用できます。新型コロナウイルスに負けず、先の見えないウイルスとの戦いを制するためにも、一度IT導入補助金を考えてみてはいかがでしょうか?
●小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓等を支援するための補助金で、補助率3分の2、補助上限額50万円となっています。小規模事業者の定義は、常時使用する従業員の数が20人以下(商業・宿泊・娯楽業を除いたサービス業は5人以下)の事業者と定められています。
補助対象となる事業は販路開拓や生産性向上への取り組みであり、機械装置等の費用や広報費、展示会等への出展費、旅費、開発費、専門家謝金、委託費や外注費など幅広いです。もちろん、機械装置等の費用として各種ソフトウェアの導入といったITの利活用に使用することも可能です。申請をするには下記手順のように、地域の商工会議所の支援を受けながら、経営計画書や事業計画書の作成をする必要があります。
公募スケジュールは、第2回の受付締切が2020年6月5日と公表されています。なので、今から取り掛かっても十分な時間があります。第2回の締切以降も、2020年10月2日、2021年2月5日と締切が予定されていますので、是非一度検討してみてはいかがでしょうか?
新型コロナウイルス感染症が拡大している現状では、日々不安が募るばかりではないかと思います。一向に終わりが見えない戦いの中で、この先どうすれば良いかと頭を抱えてしまう事業者の方も少なくないでしょう。しかし、今回ご紹介したように、補助金の補助率が引き上げられるなど、新型コロナウイルスへの各種対応が取られています。ものづくり補助金やIT導入補助金といった各種補助金を効果的に活用することで、社内の生産性を向上させることはもちろんのこと、今回の新型コロナウイルスの騒動で話題となっている、在宅勤務に対応できる環境も社内に整えることが可能です。新型コロナウイルスの逆境をむしろ大きな転換期と捉え、現状を乗り越えると共に、新型コロナウイルス終息後に新たなスタートを切ることができるように準備するのはいかがでしょうか?
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