PCの事務作業を自動化できるRPAが話題です。以前の記事「5つの具体例から見る!製造業の業務別RPA導入事例!」で紹介した導入事例を見て、どのような業務を自動化できるかイメージが沸いた方も多いのではないでしょうか。今回は少し技術的な部分にも触れながら、RPAがPCの作業を自動化する仕組みを簡単に解説します。
RPAの導入を検討中の方は業務に適用できるかどうか、是非参考にしてください。
人間の業務を自動化するためには、RPAに操作手順を命令する「シナリオ」の作成が必要です。例えば、PCの前でアプリを立ち上げて、ID入力欄をクリックして、必要な情報を入力して・・・といった一連の定型的な動作です。
そのためには作業を整理し、RPAができる作業の形式に変換する必要があります。業務の棚卸しについては、こちらの記事に詳しく記述されています。『「働き方改革」のために、まずやるべきはRPAによる業務の自動化(後編)』(業務改善とIT活用のトビラ)
RPAで人の行う作業を代替しようとした場合、いくつかの要素が必要になります。ネット検索を例にしてみましょう。ブラウザを立ち上げて検索欄に検索ワードを入力し、検索を実行するといった一連の操作を細分化すると次のようになります。
上記の例では、すべてキーボード操作で行えますが、クリックが必要な場合もあり、クリックする時にはどこをクリックするかを認識させる必要があります。
一般的にRPAがクリック位置を特定するためには以下の3つの方法があります。
ディスプレイに表示されている位置を縦横の座標から特定する方法です。シンプルですが、レイアウトがずれると動作しない場合があります。
「検索」ボタンなどの画像を認識して位置を特定する方法です。色が変わったときや同じボタンが複数のときに正常に動かない可能性があります。
WEBページのHTMLのように、コードを解析して認識する方法です。レイアウトや色が変わっても、コードの内容が変わっていなければ正常に認識できます。
それぞれの詳しい情報は下記にまとめられているので、こちらを参照ください。『「RPA」はどうやってPCの作業を自動化する? 代表的な3つの方法』(ITmedia)
RPAを導入する場合は、導入前に業務の洗い出しをし、RPAでできる作業に置き換えてあげる必要があります。導入後も、正常に認識できないリスクを考えてメンテナンスが必要です。しかし、それらの手間を考慮してもRPAによる業務の自動化によるメリットは大きいでしょう。また、RPAはその特性から複雑な条件を踏まえた上で判断を行うような業務の自動化には向いていません。そのような業務の自動化には、判断を行うBRMSと処理を行うRPAを組み合わせることが効果的です。