kintoneの利用社数が2018年9月に10000社を突破しました。導入担当者のおよそ8割が非IT部門の担当者で、1日あたり1600個以上のアプリが作成されています。前年比1.7倍の伸長で、多くの企業が活用している業務改善プラットフォームです。
出典:サイボウズ株式会社HP『「kintone」利用企業数10,000社突破 』 2018.10.31
今回は、そんなkintoneをより便利にするプラグイン『krew』シリーズの概要と製造業での活用シーンをご紹介します。
『krew』とは、グレープシティ株式会社が提供する「kintoneで脱Excelを加速させるソリューション」です。ノンプログラミングで業務アプリを作成できるkintoneの機能を入力・編集、集計、可視化の3分野で機能拡張することができます。『krewSheet』『krewData』『krewDashboard』の3つの製品についてそれぞれ紹介します。
krewSheetはExcelのように一覧画面で入力・編集の操作ができるプラグインです。kintoneの特徴を活かしながら、Excelのような画面と操作で情報を共有することができます。標準機能ではできない一覧画面上での編集だけではなく、条件付き書式の設定(色付けや文字の大きさの設定)や、関数を利用した計算が可能です。また、関数を利用した計算結果を保存することもできます。
krewSheetの一覧画面ではExcel同様にコピーアンドペーストといった機能を活用することができます。フィールド(項目・列)単位で一覧画面からの編集の可否を設定できるため、誤って数値を変更してしまうような誤操作も防止できます。そのため、入力効率や編集効率が一気に向上します。
一覧画面での入力・編集が可能で、かつ複雑な計算を可能にするkrewSheetですが、プラグインを適用しているkintoneアプリのデータのみが計算対象となります。他のアプリからデータを取得して関数を使用して計算することは現時点ではできません。このような場合は、kintone標準機能のルックアップなどを活用するか、後に紹介するkrewDataを利用します。
案件管理や各種マスタの設定にkrewSheetを活用することが可能ですが、製造業のお客様では特に在庫管理に活用できます。発注が必要な製品は色付けし、発注完了後受入未完の状態では発注済にチェックを入れれるなど、一覧表示の見やすさと一覧での操作性の高さを活かすことができます。
出典:グレープシティ株式会社 krewHP「利用例:在庫管理」
krewDataは、ノンプログラミングでkintoneアプリ間のデータの集計ができるプラグインです。kintone標準機能では限定的であったアプリ間の連携(ルックアップ、関連レコード、アクション等)の機能を拡張することができます。
入力アプリ(データの抽出元)を選択し、データの編集方法を選択し、出力アプリ(まとめたデータを記録する)を選択するだけでアプリ間のデータ連携が可能です。もちろん、アプリ間だけでなく、一つのアプリからデータを取り出し、加工して戻すこともできます。顧客管理アプリの「株式会社」「(株)」といった表記の「ゆれ」を修正できます。
操作はすべてノンプログラミングで、データの抽出を日次などのスケジュール実行で行うことができます。関数の活用や重複の削除、そしてアプリ結合が可能でデータベースの結合のように処理が行えるので、kintoneのアプリ間で活用できるEAI(データ連携)ツールといえるでしょう。
在庫アプリと出荷管理を照合して、日次在庫データの集計が可能です。工数管理では製品(または、プロジェクト)単位、個人単位、期間単位などの集計をすることで原価管理や労務管理に活用することが可能です。
出典:利用例:グレープシティ株式会社 krewHP「利用例 krewData:工数集計」
krewDashboardは豊富なグラフとピボットテーブルによりアプリデータを可視化する製品です。複数のアプリのグラフなどをまとめたダッシュボードを作成することができます。
kintone標準機能では表現しきれなかったピボットテーブルや複合グラフ、ゲージ表示などができ、また、ダッシュボードのHTML埋め込みタグが作成できるので、共有も容易にできます。さらに今後の機能追加で、PDFやExcelへの出力などにも対応するとのことです。
気を付けたい点としては、ダッシュボードに表示できるグラフは単一のアプリデータをもとに作成する点です。ダッシュボードには複数のアプリから作成したグラフをまとめて表示できますが、複数アプリのデータを抽出したグラフを作成することはできません。複数アプリのデータを抽出したグラフの作成は、krewDataとkrewDashboardを併用することで実現可能になります。
製造管理用のダッシュボードを作成することができます。各ラインの稼働状況や製品の生産状況などをダッシュボードにまとめて監視することができます。
出典:グレープシティ株式会社 krewHP「利用例:製造管理」
製品単体でもkintone機能をより便利に活用することができますが、3製品を組み合わせることで、kintoneの入力・編集、集計、可視化でより一層便利に活用できます。
krewシリーズはkintone同様に30日間の無料トライアルを利用することができます。kintoneを検討しているが、標準機能では実現できずカスタマイズを検討していた方や、kintoneを導入しているが機能的制約に悩んでいる方は是非トライアルをご利用ください。グレープシティ社のホームページでは利用例とともにデモ環境が公開されているので、製品の外観や動作を確認したい方はグレープシティ株式会社の利用例をご覧ください。価格に関しては月額/年額どちらでの契約も可能です。
またkintoneの機能を拡張する製品をご紹介しましたが、弊社では「製造業のkintone活用事例4選!」で取り上げているような、製造業様向けのkintoneアプリの構築も可能です。導入をご検討中の方でご要望アプリが標準機能で作成できるかどうかのご相談もお受けしております。お気軽にお問い合わせください。