製造業が注目すべき2019年 ITトレンド 5選!

製造業が注目すべき2019年 ITトレンド 5選!

 あけましておめでとうございます。
今年も皆様に役立つ「IT」をキーワードとしたコラムをお届けしていきたいと思います。
今年は消費税増税、新元号の施行が予定されており、市場環境的にもオリンピック需要の減退、米中貿易摩擦など世界経済の激流により、不安定な景況が予想されるとさまざまなアナリストが指摘しています。その中で、今年のコラム第1弾は、昨年同様、製造業に関連するITトレンドを予想したいと思います。
昨年のITトレンドについては下記コラムをご覧ください。

製造業が注目すべき2018年ITトレンド6選!

 

「AI」のイノベーションは続くか

 昨年のコラム「製造業が注目すべき2018年ITトレンド6選!」でも挙げたAI(人工知能)の革新ですが、ITトレンドとしてAIを外すわけにはいきません。製造業においては、AIを搭載したFA(factory automation)機器の導入や、画像認識技術を利用した異常検知といった分野で、AIの活用が広がっています。2019年のAI動向については、昨年末から多くのメディアが楽観的なものから懐疑的なものまでさまざまな予想をしていますが、傾向としては、過度の期待からそのギャップを埋める幻滅期に入るとしているところが多いようです。
 たしかに、2018年は多くの企業がAI活用にチャレンジしたものの、活用するデータの精度の問題や、期待する結果を得るためのアルゴリズム化の難しさに直面したことでしょう。また、AIのブラックボックス問題により、社会的なルール整備が強く求められています。
ブラックボックス問題については下記コラムをご覧ください。

AIのブラックボックス問題の解決に期待が高まる XAI(説明可能なAI)とは


 しかし、AIによりイノベーションを起こした事例は枚挙に暇がありませんので、2019年は、浮き彫りになった課題によりAIによる革新が停滞するか、それを物ともせずAIによりイノベーションを起こす企業が増え続けるか必見です。

 

IoT活用を加速させる
「エッジ・コンピューティング」

 数年前から爆発的に発展しているIoT関連サービスですが、中堅・中小製造業においても、設備の稼働状況をリアルタイムに視覚化するなど、IoT技術の基礎的な活用は一定の普及が進んでいます。また、単なる「見える化」だけでなく、カメラやセンサから得られる情報を利用して、モノの検査やカウントといった業務を画像認識などの「AI」技術により効率化するソリューションの活用も広がってきました。しかし、そういった活用をする場合、センサやカメラの膨大なデータをそのままクラウドに送るとなると、時間が掛かり過ぎて実運用に耐えられません。そこで、センサやカメラ等のデバイスに近い場所(エッジ)で、予め分析に適したデータに変換、分析処理などする「エッジ・コンピューティング」の必要性について、多くの企業で理解が広がると考えられます。「エッジ・コンピューティング」は数年前からIT業界のキーワードとして挙がっていましたが、IoTサービスの浸透、さまざまな機能を持つインテリジェントセンサの発展、通信ネットワークの革新である5Gと関連して今年は注目が集まるでしょう。

第5世代移動通信システム5Gが製造業に与える影響

 

バリューチェーンの最適化にも期待される「RPA」

 2017年から大きな話題となっている「RPA」。2018年もさまざまなRPA商品が生まれ、大企業や金融機関などで普及が進みました。一方、普及が進むことによって野良ロボット問題などRPAの導入にさまざまな課題も認識されるようになりました。
 しかし、国家施策である「働き方改革」の長時間労働是正への対応など、生産性向上効果が分かりやすいRPAは2019年も引き続き注目が集まりそうです。
 

 製造業においては、事務作業の効率化はもちろんのこと、政府がコネクテッドインダストリーズで提言している、あらゆるモノや企業がつながることで、「製造業のサービス化」に代表されるバリューチェーンの最適化が求められています。

「製造業のサービス化」の最前線を追う

 そういったことを実現するためには、企業内の情報のデジタル化、企業間取引に関わる情報などのデジタル化が不可欠です。デジタル化にはコストが掛かりますが、比較的安価に導入できるRPAは、その実現の助けになるでしょう。
 特に、いまだ手作業が多く、生産性向上が急務な中小企業には、即効性があるRPAの普及が期待できます。
 中小企業のRPA活用についてはこちらのコラムをご覧ください。

中小企業で盛り上がるRPA~小粒な業務を現場主導で スモールスタート ~

 

「ブロックチェーン」
技術の本質に気付く人が増える

 2019年にブロックチェーンはAIと同じく幻滅期に入ると考えられますが、破壊的イノベーションを秘めた技術であることは間違いありません。ブロックチェーンに限らず、中央集権的管理から分散管理への変遷はIT全体のトレンドといえます。製造業では、偽装問題や複雑化するサプライチェーンの透明性や安全性への活用が期待されます。

 製造業でのブロックチェーン活用については下記コラムもご覧ください。

ブロックチェーン×製造業 サプライチェーン改革!

 トヨタでは2017年から自動運転車が走行する運転データを共有する点でブロックチェーン技術の活用に取り組んでいるようです。
 このほか、ブロックチェーンのプラットフォームのひとつであるイーサリアムの「スマートコントラクト」を活用し、VMI(ベンダー管理在庫)の自動発注の契約、決済、履歴をシステム的に担保するといった用途なども考えられます。
 2018年の仮想通貨界隈の喧騒とは打って変わり、2019年はブロックチェーン技術本来の有効性に注目が集まり、実用に向けた取り組みが進むでしょう。

 

生産効率向上と技能継承に期待が高まる
「ウェアラブル・デバイス」

 2019年も、労働人口減少や高齢化という構造的問題は、すぐには解決されない状況にあります。また、マス・カスタマイゼーションにつながる多品種少量生産の企業が増加する中で、熟練者の技能継承と、現場作業員の生産効率向上が大きな課題になるといえます。
 そこで、現場作業者の技能や能力拡大をアシストするウェアラブル・デバイスに注目が集まると予想されます。ウェアラブル・デバイスを利用すれば、例えば、VR技術を組み合わせることで、遠隔地からあたかも作業現場にいるかのように熟練作業者が非熟練者を作業指導したりすることも可能になり、技能継承に一役買うことが期待されます。

VR(仮想現実)で変わる製造業の5つの業務!

 生産効率向上についても、先述のIoTを利用した装置の稼働監視や、異常検知など普及が進んでいるものの、実際の作業の大半は人が担っており、直接的に作業者を支援するウェアラブル・デバイスは有効でしょう。ウェアラブル・デバイスは大企業だけではなく、中小企業での利用も加速しているので、今年はどれだけ普及するか注目したいところです。

 

 いずれも不安定な景況の中で注目が集まるのは、生産性向上効果が期待できるもの、もしくはコネクテッドインダストリーズなどの潮流を見据えた、ビジネスモデルの変革に活用するものがキーワードになりそうです。
本コラムを提供している株式会社エクスとしては、製造業の発展をITの側面から支援すべく引き続き尽力する所存ですので、本年もどうぞよろしくお願いします。

 
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