2017年もいよいよ終わりが近づいてきましたが、みなさんにとって2017年はどのような一年だったでしょうか。毎年のことながら、IT業界は今年も多くの変化がありました。その中から5つピックアップして、今年のITトレンドとして振り返っていきたいと思います!2018年度のトレンド予想はこちら!
2017年後半にかけて最も話題になったのは、やはりRPAでしょう。詳細については、別のコラム「最近話題のRPAとは何か?何ができるのか?」で取り上げたので詳しくはそちらに譲りますが、今年のITトレンドを語る上では欠かせないでしょう。
RPAは全く新しい技術というわけではなく、以前からITベンダーが提供していたサービスに対して、明確なコンセプトが付与された形になります。日本では「働き方改革」の流れに後押しされ大きく話題になっており、実用性も相まって2018年も引き続き注目すべきトピックだと思われます。製造業の各業務におけるRPAの適用事例も下記にまとめておりますので、併せてご覧ください。
スマートスピーカーとは、音声で家電などのデバイスの操作をしたり、会話を楽しんだりすることができるスピーカーです。イメージとしては、iPhoneのSiriがさらに機能を拡張させて、一つのデバイスとして現れたというところでしょうか。
今年は、日本のスマートスピーカー市場が大きく動いた年でした。まず、数年前から他社に先駆けてアメリカで販売されていたスマートスピーカー「Amazon Echo」の日本での販売を、アマゾン ジャパンが10月初旬に発表。さらに、2017年7月から一部のユーザーに先行体験版としてリリースされていた、LINEが提供する「Clova WAVE」が10月に正式発売となり、同月にはGoogleが提供する「Google Home」もリリースされています。少し遅れて、12月にソニーからスマートスピーカー「LF-S50G」がリリースされました。
各社様々な強みを出しながら市場競争を繰り広げています。例えば、「Amazon Echo」であれば開発キットが早くから提供されており、自分でEchoの機能を追加したり、他のアプリケーションと連携させたりすることができます。ですので、音声でアプリケーションを操作するためのインターフェースという位置づけが強いです。一方、「Clova WAVE」はユーザー体験に重きを置いており、テレビCMでは初めて体験した時の驚きや感動した様子を表現しています。
2017年は日本市場での競争の幕が切って落とされたところですので、2018年はどのように進化するのか非常に楽しみです。「音声入力」という広い視点で見ると、RPAなど他の仕組みと組み合わせて発展していきそうです。
VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)に関しては、実用化が進み始めたのが2017年と言えるのではないでしょうか。
Microsoftが10月に提供開始した「Windows 10 Fall Creators Update」では、Windows10搭載のPCと、同社のパートナー各社が提供する「Windows Mixed Reality ヘッドセット」があれば、誰でもMRの体験ができるようになりました。
また、産業機械へのVRの応用も進んでおります。トヨタ自動車が11月に発表した「第3世代のヒューマノイドロボットT-HR3」は操縦者がVRのヘッドセットを付け、ロボットの視点でロボットの感覚を共有しながら操作できるロボットです。
「T-HR3」は近未来が実現されたようなロボットですが、Microsoftの取り組みのように、着実にMR活用へのハードルは下がりつつあります。
今年6月に東京ビッグサイトで開催された「3D&バーチャル リアリティ展」も、通路を埋め尽くすほどの盛り上がりでした。下記コラムにてVRが製造業にどのような影響を与えるのかまとめましたので、こちらも併せてご覧ください。
ドローンも話題にこと欠きません。数年前からエンターテインメントでの活用や、民間での試用が進んでいましたが、今年に入ってビジネスへの適用、行政での活用が進んできた印象を受けます。9月には、日本通運が倉庫内での在庫管理などにドローンを使用する実証実験を実施したと発表しました。また、12月には、埼玉県の川口市が市内事業者と協定を結び、災害発生時にドローンを使って被災状況などの情報収集を行うことを発表しました。
そして、今年の話題として外せないのは仮想通貨でしょう。仮想通貨とは何か、仮想通貨を支えるブロックチェーンは何か、という説明はあまたある他の解説に譲るとして、仮想通貨が今年注目を集めた点を重点的に取り上げてみます。
仮想通貨のもっとも有名な銘柄は、「ビットコイン」でしょう。みなさんは今年のビットコインの値動きをご存知でしょうか。実は、ビットコインは2017年の年初には1ビットコイン10万円程度の価値しかありませんでした。しかし、12月現在で1ビットコイン220万円前後の取引価格となっており、実に1年で約20倍以上の取引価格になっています。また、別の銘柄では年初に約3円の取引価格だったものが、現時点で1,800円程度の取引価格になっている通貨もあります。こちらはなんと、1年で600倍ほどにもなっている計算になります。
このように大きな成長率を示したことで、投資の対象として2017年は仮想通貨に大きな関心が寄せられました。こういった切り口から、仮想通貨やそれを支えるブロックチェーンという技術への関心も高まっていくと考えられます。また、エストニアが国家として発行する世界初の仮想通貨エストコインの検討もされており、こちらの動きにも関心が寄せられています。
このように、仮想通貨やブロックチェーンの根幹をなす技術は非常に難解ですが、仮想通貨の取り引きを通じて、仮想通貨そのものへの関心や、その技術的背景、応用可能性への関心が高まったのが2017年と言えるでしょう。来年以降、仮想通貨がどのような値動きをするのか、具体的にどのようなサービスが展開されるのか、目が離せません。
仮想通貨に使われているブロックチェーン技術の製造業への適用については下記コラムもご覧ください!
いかがでしょうか。このように2017年も様々な分野でITが大活躍しました。来年は、コラム「平成29年度補正予算「ものづくり補助金」の注目ポイント!」で取り上げたように、IT導入にかかる政府からの補助金も大きく増加します。来年のITの動きも非常に楽しみですね!
それではみなさま、よいお年をお迎えください。