2019年7月17日より「平成30年度補正 サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金2019)」の二次公募が始まりました。昨年、一昨年と比較しながら、今年度の採択傾向と二次公募の動向を考察します。
今年度の一次公募の結果を分析し、今年の傾向を確認しましょう。今年の補助金申請では補助上限額150万円未満のA類型と補助上限額450万円のB類型に分かれています。詳細はコラム『2019年 IT導入補助金の最新情報 第2弾!新たな仕組みが導入されます』をご覧ください。
各類型の交付決定事業者数は下記の通りです。
A類型:3756者 B類型:442者
一次公募の累計では4198者が採択されていることが分かります。
出典:サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト
<一次公募 A類型 交付決定事業者一覧> <一次公募 B類型 交付決定事業者一覧>
A類型とB類型の比率は、約9:1の割合で採択されているのが分かります。ベンダーのITツール登録段階で、1つのITツールでB類型への申請は難易度が高く、補助申請者は複数のシステムを組み合わせて申請する必要があるため、B類型申請のハードルも少し高いことがこの割合の要因ではないかと考えられます。
先程、一次公募では累計4198者が採択されているとお伝えしました。事務局公募要領では当初、6000件を予定補助件数として掲げていました。(※1件当たりの補助申請額によっては増減)当初通りの予定であれば、残り採択件数は2000件に及ばず、全体の3分の1の補助枠が残っているという計算になります。
出典:経済産業省ホームページ 平成30年度補正予算「サービス等生産性向上 IT 導入支援事業」事務局公募要領
しかしながら、IT導入補助金の今年度の予算は100億円で、1件当たりの補助申請額によって補助件数は変動するとのことなので、一次公募で使用した補助金額から、二次公募の予算額を考えてみましょう。
一次公募の採択者全者が補助上限額を使用した場合、約76億円の予算を消費したことになります。
・A分類:56億円(3756者×150万円)
・B分類:20億円(442者×450万円)
すべての事業者が上限まで使用したとは考えにくいので、一昨年までの実績から、補助上限に対し、平均7割程度の補助として計算すると、約53億円が一次公募で予算消化されていると考えられます。
※2017年IT導入補助金では100億円の予算に対し補助上限100万円(補助率2/3)、
採択件数14000件なので補助上限に対し約70%が補助されていました。
2018年IT導入補助金では500億円の予算に対し、補助上限50万円(補助率1/2)、
採択予定件数13万件だったので、75%近い補助率で計算されていました。
上記の計算では事務局運営費等を考慮していませんが、二次公募では40億前後の予算が残っていると考えられます。
2019年のIT導入補助金の予算の約4割が二次公募分として残っていると仮定すると、A類型約2500者、B類型約300者が採択される計算になります。※A、B類型の採択比率が同一の前提
IT導入補助金の申請件数は公表されていませんが、採択予定数が一次公募に比べて7割程度に減るということと、一次公募申請に間に合わなかった事業者が二次公募へ申請し、申請数の母数が増えることから、一次公募に比べて二次公募は採択率が低くなることが予想されます。
昨年、一昨年の二次公募はそれぞれ状況が違いましたが、今年は一昨年に近い状況になるのではないでしょうか。
コラム『平成29年度補正予算IT導入補助金二次公募開始!採択率はどのくらいか?』
IT導入補助金2019の一次公募の結果から、二次公募の動向について考察してきました。一次公募に比べ、採択率が下がることは予想されますが、A類型であれば2500件程度の採択が予想されます(※当社予想)。申請を検討されている方は、お付き合いのあるITベンダーに相談し、早めに対応しましょう。
今すぐ準備できることとして、以下について取り組まれてはいかがでしょうか。
①経営診断ツール(サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト)
②おもてなし規格認証の取得
③SECURITY ACTIONの自己宣言