ニューノーマル時代の到来で、昨年から急速に注目されているワードがあります。それが「電子取引」です。電子取引と言えば、その代名詞は「 EDI 」ではないでしょうか?以前のコラムでも、たびたび「 EDI 」について取り上げていますが、今回は改めて EDI とはどういうものなのか、振り返って考えていきたいと思います。
そもそも EDI とはどういう意味でしょうか? EDI は、”Electronic Data Interchange”の略語で、「電子データ交換」と訳されます。受発注、出荷、請求、支払いなどの各種取引情報を、標準化された規約(プロトコル)に基づいて企業双方向で通信し、コンピューターで自動的に処理する仕組みを指します。発注以外にも、出荷や請求といった様々な取引情報を通信できる点で、EOS(Electronic Ordering System:電子発注システム)とは異なります。
例えば、発注業務をEDI化する場合を考えてみましょう。従来、業務システムに入力した発注情報に基づいて注文書を印刷すると思います。そして、印刷した注文書をFAXや郵送で取引先に送るという流れが一般的ではないでしょうか?しかし、EDIを導入すれば、注文書を印刷する必要は無くなります。業務システムに入力した発注情報をデータで取引先に送ることができるので、紙の印刷や封入作業など、手間が掛かっていた業務を一掃することが可能です。このように、EDI は紙の削減と業務効率化に繋がる仕組みといえるでしょう。
EDI の形態には、従来、単純接続とVAN経由接続の2モデルがあります。単純接続は、取引先と1対1で接続する形態で、欧米の流通等に多く見られるものです。一方で、VAN経由の接続は、VAN(Value Added Network:付加価値通信網)と呼ばれるネットワークを通して、N対Nの関係で取引先と接続する形態のことを指します。日本のメーカーや卸売業間で多く見られるモデルになります。ただし、最近ではIT技術の発展により上記の2モデルに加えて、プラットフォーム型のEDIも見られ、EDIの形態が多様化しています。
ここで、EDI の構成要素について紐解いてみましょう。EDIは4つの要素から構成されます。
1つ目は通信です。これはコンピューター間における通信方式のことを指し、通信プロトコルとも呼ばれます。すなわち、異なるコンピューター間でやり取りする上での約束事のことです。具体的にはJX手順や全銀手順と呼ばれるものがあります。例えば、人間の会話がお互い一方的に話し続けると成立しないように、コンピューター同士のやり取りでも一定のルールが必要になります。よって、相手方とEDIをする場合、ルールを共通にしないと通信ができないので、双方が同じプロトコルを採用する必要があります。
次に、書式があります。これはコンピューターに取り込むデータ記述方法のことを指し、フォーマットとも呼ばれます。フォーマットが共通でないと、データを送ったところで受信側がデータの中身を正しく認識できない状況に陥ります。よって、双方でフォーマットを合わせる必要があります。フォーマットには、固定長と可変長の2種類があります。固定長の場合、例えば発注データであれば、「No.1 発注No(12桁)、No.2 発注日(10桁)、No.3 品目名(20桁)」というように、データの項目を何桁に設定し、どのような順番で並べるかを決めます。しかしながら、固定長ではデータの中身がない場合でも空の枠だけを送る必要があるため、データに無駄が生じます。よって、最近ではほとんど可変長のフォーマットになっています。標準フォーマットといえば、流通・小売業界の「流通BMS」や電子部品業界の「ECALGA」が有名ですが、それらも可変長に対応しています。
上記以外にも、業界によっては運用ルールの制定やデータの保証等を取り決めた取引基本契約が必要になる場合もあります。しかしながら、運用ルールと取引契約については標準化がほとんど進んでいないため、実際の運用にあたっては企業ごとに個別で取り決めるケースが多いのが実状です。
では、EDI を導入すると、どのような効果があるのでしょうか。中小企業庁「2016年版中小企業白書」では、業種別に見たEDIによる効果として、業務改革・業務効率化と売上拡大について効果を調査しています。業務改革や業務効率化については「役立っている」という声が8割弱存在するなど、EDI を導入している企業のほとんどが効果を実感すると回答しています。また、売上の拡大についても「役立っている」という声が3割強存在するなど、一定の効果が証明されています。
業務効率化の効果は、EDI を導入すればすぐにでも実感できるでしょう。紙をデータに置き換えることで、帳票の印刷や封入作業が不要になります。また、業務システムとのデータ連携で今まで手入力していた作業を排除でき、人的な入力ミスの防止や業務のスピードアップを期待できます。また、さらに高い次元の効果となると、サプライチェーン全体を管理するSCM(Supply Chain Management)といった全体最適への進展も期待できるでしょう。
一方で、売上拡大という点は、EDI を利用することで蓄積される様々な企業間取引データがカギになるため、即時的には効果が現れないかもしれません。しかしながら、蓄積されたデータを解析することで、データドリブンなマーケティング、経営を実践でき、結果としてビジネスチャンスの拡大を実現できると考えられます。データを生かすことができるというのが、今までの紙取引と大きく異なる点であり、電子取引ならではのメリットといえます。
電子取引サービスをご検討なら、弊社のクラウドEDIサービス『EXtelligence EDIFAS』がおすすめです。製造業を中心に国内外2700社の企業が利用しており、月額3,000円(税別)からの圧倒的な低価格、使いやすいインターフェースと豊富な設定機能で、誰でも簡単に操作することができます。電子帳簿保存法にも対応し、経済産業省、中小企業庁が推進するEDI規格「中小企業共通EDI」に準拠したサービスなので、安心感と将来性を兼ね備えています。最大2カ月の無料トライアル期間もございますので、ぜひこの機会にお試しください!
EDIFASの詳細はこちらお問い合わせこちら