中小製造業の生産性向上!「中小企業共通EDI」とは

中小製造業の生産性向上!「中小企業共通EDI」とは

コラム「中小製造業の働き方改革!ペーパーレス化」の中でEDI活用によるペーパーレスとデータの利活用を紹介しました。EDI活用をより便利にする概念の一つに「中小企業共通EDI」があります。今回は中小企業共通EDIとは何か、どのようなメリットがあるかを紹介します。

 

中小企業共通EDIとは

 中小企業共通EDIを一言で表すと「中小企業取引に最適化・標準化された、簡単・便利・低コストを目指した取引データの企業間交換の仕組み(EDI)」です。

動画:「2分動画でわかる!企業間をつなぐ新しい仕組み『中小企業共通EDI』のご紹介」
つなぐITコンソーシアム
 

中小企業共通EDIの背景

 中小企業及び、中小製造業ではEDIの利用があまり普及していないという背景があります。実態としては得意先からの注文にEDIを利用しているにとどまり、自社からの発注に関してはあまりEDI利用が進んでいません。

中小製造業はEDIを利用しているか?

 普及しない理由として、固定回線を利用したEDI(以下、レガシーEDI)やWEB-EDIと言われるEDIは、導入費用が高額になることが理由の一つに挙げられます。そこで、中小企業にも導入しやすい簡単・便利・低コストで標準化されたEDIということで中小企業共通EDIが策定されました。

 

中小企業共通EDIの特徴

 特徴1:国際標準(国連CEFACTが制定している標準共通
 辞書)に準拠

 EDIの国際標準である国連CEFACTが制定している標準共通辞書に準拠し、企業間で交換する取引データの項目・フォーマットを中小企業に最適化した「共通EDI標準フォーマット」を提供します。これまで取引先ごとにバラバラだったEDIのデータフォーマットを共通化することで、EDI導入の手間・コストを大幅に削減できます。

 

 特徴2:中小企業共通EDIプロバイダー

 企業間で取引情報をインターネット経由で交換するための仕組み・サービスである「中小企業共通EDIプロバイダー」の仕様を策定しました。中小企業共通EDIプロバイダーサービスはクラウドで提供され、企業はEDIサーバを保持することなく、自社のアプリケーションをEDIに接続することが可能です。

 

 特徴3:中小企業共通EDI対応アプリ

 業務アプリケーション(クラウドサービスを含む)を中小企業共通EDIに対応するための仕様を策定。この仕様に準拠した業務アプリケーション(中小企業共通EDI対応アプリ)を導入すれば、直ぐにEDIに接続可能です。

出典:つなぐITコンソーシアム「中小企業共通EDIとは」

 

中小企業共通EDI導入のメリット

 EDIによる一般的なメリットが得られる

 一般的なEDI導入のメリットと同様に、受発注業務にかかる時間の短縮や人的ミス、転記作業をなくし、ペーパーレスを実現することでコスト削減が見込まれます。

 

 固定回線の規格終了に対応

 2024年のISDN回線廃止に伴い、レガシーEDIは入れ替えが必要になります。中小企業共通EDIに準拠したEDIはインターネット回線を利用するため、入れ替えの必要はありません。

発注が止まる?EDIの 2024年問題 とは?

 

 業種の垣根を越えることが可能に

 これまでの各業界EDI標準と共通辞書のマッピングが可能となり、業界の垣根を超えることができます。

 多画面問題の解決

 EDIで問題になっている多画面問題とは、発注側企業が指定するEDIがバラバラで、受注側の企業からすると複数のEDIシステムのへのログインが必要になり、より入力工数がかかってしまうことです。現在、取り組みが進められている共通EDIプロバイダーの連携が実現すれば、発注企業、受注企業は一つの共通EDIプロバイダーと契約することで、異なる共通EDIプロバイダーと契約している取引先企業ともEDIメッセージ交換が可能となります。また、共通EDIプロバイダーが多様な発注企業固有の注文メッセージのフォーマット変換サービスを提供することにより、受注企業は自社の業務管理アプリケーションがインポート可能なフォーマットで注文メッセージを変換なしにそのまま受信できます。これにより多画面問題を解決することが期待されています。

 ZEDIによる消込の自動化

 また2018年12月25日に本稼働が予定されている全銀EDIシステム「ZEDI」があります。将来的にこのZEDIによる金融EDI情報と中小企業共通EDIによって標準化された商流EDIを紐づけて売掛金の消込を自動化しようとする動きがあります。

商流EDIと決済情報がつながる新しい金融EDIとは


 これが実現すると、購買業務の生産性向上だけでなく、経理担当者の生産性の向上も見込めるようになります。

 

まとめ

 中小企業共通EDIは、EDIがあまり普及していない中小企業の取引に対して標準化された、簡単・便利・低コストを見込めるEDIです。今後日本の中小企業が生産性を向上するためには、データを介して「つながる」ことが最も重要だと位置づけられている「コネクテッドインダストリーズ」の実現を目指す必要があり、データ活用の第一歩であるEDIの普及は不可欠なものになります。現在は中小企業共通EDIに準拠したEDIサービスの数は少ないものの、今後中小企業共通EDIはコネクテッドインダストリーズの実現に大きく寄与するのではないでしょうか。

日本版インダストリー4.0『コネクテッドインダストリーズ』は中小企業が主役?

 

 弊社も2017年に中小企業庁委託事業「次世代企業間データ連携事業」に参加し、中小企業共通EDIに準拠した「EXtelligence EDIFAS」を用意しています。
「”つながる”時代を実現する。業種・業界を超える共通EDIの実証検証」では弊社が行った調査事業の導入結果も公開しています。

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