EDIの費用対効果について考えよう!

EDIの費用対効果について考えよう!

 コロナの影響もありテレワークが当たり前となっている昨今、出社を余儀なくされる紙業務を減らすために EDI 導入を検討する企業も多いでしょう。EDI(Electronic Data Interchange)とは、受発注、出荷、請求など、企業間取引における各種取引情報を電子データとしてやり取りする仕組みのことです。紙の印刷や封入作業など、手間がかかる業務を一掃することができ、今や大手企業を中心に主要な取引手段の一つとなっています。
 しかし、EDIでペーパーレス化を実現できる、業務効率化に繋がると直感的にわかっていたとしても、経営層に対して費用対効果を十分に示すことができなければ、なかなか導入に至らないのも実情です。
 なので今回は、改めてEDIの費用対効果について、購買業務を例に数字で表れる効果と表れない効果の2軸で考えてみようと思います。

購買業務のプロセスを棚卸しよう

 EDIの費用対効果を考えるにあたって、まずはEDIを利用していない場合の一般的な購買業務のプロセスを考えていきます。購買業務のプロセスは、①購入先の選定、②発注、③納期回答の確認/調整、④納入処理に分けることができます。

  1. 購入先の選定
  2. 各取引先に見積作成の依頼、価格の交渉をし、発注先を選定します。依頼は電話、FAXで行われることが一般的ですが、担当者間での情報共有ができておらず、担当者不在の時に対応できない等のトラブルが生じる場合があります。

  3. 発注
  4. 基幹システムから注文書を印刷し、郵送やFAXで取引先に送ります。印刷や封入作業の手間、紙代や封筒代等のコストが発生します。

  5. 納期回答の確認/調整
  6. 取引先からの納期回答を確認し調整を行いますが、紙や電話が一般的なので、管理の手間がかかります。また、言った・言ってない等の認識齟齬も生まれやすくなります。

  7. 納入処理
  8. 取引先からモノが届くと、納品物と品質を確認し、受入と検収の処理を行います。発注内容との照合作業に手間と時間を要します。

購買業務はEDI導入でどのように改善される?

 それでは、EDIを導入すると購買業務をどのように改善できるのでしょうか?従来の紙を用いた発注業務の場合、基幹システムに入力された注文データを紙に印刷し、封入作業を経て郵送やFAXで送信するのが一般的な流れです。また上長の承認を得るために、紙をもって社内を移動する時間も発生するかもしれません。送信後は控えをファイリングして保管することになるので、そのような事務作業も数が増えれば結構な時間と手間がかかるでしょう。
 そこでEDIを利用すれば、基幹システムに入力したデータをそのまま取引先に送ることができます。もちろん紙への印刷や封入作業は不要になり、基幹システムとシームレスに連携すれば、基幹システムからワンクリックでデータを送信できるので、短時間での購買業務が可能となります。
 またコスト面でも、紙代、封筒代、印刷代、切手代、FAX代等の削減に繋がります。短時間で処理できるようになるので、従業員の残業時間が減り、人件費の軽減にも繋がるでしょう。

定量効果をシミュレーションしてみよう

 では実際にどれくらいの定量効果が見込めるか、具体的なケースをシミュレーションしてみます。
 ある会社では従来、郵送による発注業務を行っており、毎月取引先100社に対して1000枚の注文書を紙で発行していました。また、紙への印刷や封入作業で、発注業務に月当たり22時間がかかっていました。また人件費、切手代、封筒代、印刷代、用紙代を合わせると、月当たり約8万円のコストがかかっている状況でした。
 そこでEDIを導入し、ペーパーレス化で紙作業を全て削減したところ、発注業務にかかる時間を月当たり1.3時間に削減することができました。また、切手代や封筒代など、約4万円のコストカットに成功しました。
 このように発注のEDI化だけで、業務時間を93.8%削減、EDIサービスの利用料を含めてもコストを60%削減することができます。発注以外の見積依頼、出荷、仕入検収等の機能も含めてEDI化できれば、さらに業務時間とコストカットを実現できるでしょう。

数字に表れない効果も!

 また、EDI導入による効果は上記のような数字に表れるものだけではありません。下記のような定性的な効果もあります。

  1. 取引先の業務改善
  2. EDIを導入することで、取引先のペーパーレス化、取引情報の管理の省力化など、取引先の業務改善に繋げることができます。結果、取引先との関係を良好にすることができます。

  3. 取引履歴の管理がカンタン
  4. 今まで紙をファイリングして管理をしていたものが、EDIの中で全て管理できます。必要な時に必要な情報をすぐに呼び出すことができるので、今まで掛かっていた管理工数を大幅に削減することが可能です。
    ※ただし、EDI取引における取引データは、電子帳簿保存法が定める要件を満たして保存しなければなりません。電子帳簿保存法が定めるEDI取引のデータ保存要件は過去コラムをご覧ください。

  5. 社内での情報共有
  6. 取引先とのやりとりの履歴は、EDI内に保存されます。従来電話やメールでやりとりしていた場合、そのような履歴は担当者しか認識しておらず、担当者不在の場合に対応することが困難でしたが、EDIでは誰でも履歴を閲覧することができるので、社内の情報の可視化に繋がります。

  7. 人的ミスの軽減
  8. 注文書の宛先間違い、確認漏れ、業務システムへの転記ミスなど、従来の紙業務ではどうしても人手を介するため、人的ミスを避けることができないですが、EDIを利用すれば人手を介さずに業務システムとEDIを連携できるので、人的ミスが発生しにくいメリットがあります。

  9. 取引管理の効率化
  10. サプライヤーとの取引リードタイムが短縮されるので、在庫数が少なくなるのを見極めてから発注でき、過剰な在庫を抱えるリスクを軽減できます。また取引データに製品のロットNo.の情報を付帯することで、トレーサビリティの強化も可能です。

まとめ~費用対効果を出すには導入コストの低減も重要~

 今回はEDI導入による費用対効果を考えました。EDIを導入すれば、コスト削減や工数削減などの定量的な効果だけではなく、取引先の業務改善やデータ活用の効率化など定性的な効果も期待できるでしょう。しかし、いくら導入効果が大きくとも、初期費用やランニングコストが膨らんでしまうと、費用対効果が低減してしまいます。したがって、EDIを導入する場合、導入コストやランニングコストも重要なポイントになります。EDIの導入効果を正しく理解し、機能だけではなくコストパフォーマンスも優れたEDIを選びましょう。
 また、EDIを検討する上では電子帳簿保存法への対応も必ず考慮しなければなりません。電子帳簿保存法では電子取引(EDIや電子契約、メール取引など)における取引データの保存義務が定められており、今年の改正では紙保存での代替措置も廃止になりました(改正についての詳細は過去コラムをご覧ください)。保存要件を満たしながら必ずデータとして保存しなければならないため、電子帳簿保存法に対応してデータが保存できるEDIを選択すべきでしょう。

 

 

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