近い将来、IoTをはじめとする”つながる”時代が到来すると、先日のコラム「日本版インダストリー4.0『コネクテッドインダストリーズ』は中小企業が主役?」でもお伝えしました。企業では業務の効率化を図るためにシステムを導入していますが、企業内に複数のシステムが存在し、データ形式も様々であることが多いのが現状です。今回は異なるシステム間のデータを連携できる、「EAIツール」についてご紹介します。
EAIとは「Enterprise Application Integration」の略で、異なる複数のシステムやアプリケーションをつなぎ、データを統合させるツールのことです。システムやアプリケーションを連携させるハブの役割を果たします。
EAIツールの機能としては、データ形式やプロトコルの変換、データの加工処理、異なるデータ項目を紐づけるマッピングなどが挙げられます。
複数のシステムから抽出したデータをまとめて出力することも可能なので、ETL(Extract Transform Load)の機能を包含するツールが多くなってきています。
ETLは複数のシステムから様々なデータを抽出し、変換・加工をしてDWHやBIツールに集約する処理で、一度に大量のデータを集めて処理します。EAIは処理が始まるとリアルタイムにデータが反映されることが多く、ETLはデータをまとめてバッチ的に処理することが一般的です。EAIツールにはリアルタイム実行やタイマー・スケジュール実行の両方に対応し、EAIとしてもETLとしても活用できるツールもあります。
日常業務において、システム同士のデータを連携し統合させることや、旧システムのデータを新システムに移行する際に役立ちます。
また、EAI/ESB市場で11年連続シェアNo.1を達成しているアステリアが、*RPAのリーディングカンパニーである、RPAテクノロジーズとの協業を発表するなど、EAIツールは最近話題のRPAとの相性も良いです。
従来、データ連携は独自にシステムを一から開発するスクラッチ開発で行われてきました。自由度が高く、自社に最適なカスタマイズが可能な一方で、システムごとに開発言語も様々であるため、複数言語を扱える人材が少ないなどの問題が挙げられます。また、当然のことながら納期や金額もかかります。
EAIはノンプログラミングで使えるツールが主流です。
アイコンのドラッグアンドドロップで、編集することが可能なのでプログラミングができない社員でも開発が可能です。また、プログラミングができるエンジニアが使う場合は、データ連携部分のカスタマイズにかかる時間が短縮でき、要件定義に時間をかけることが可能になります。
システムとEAIツールのつなぎの部分にベンダーが作成したアダプターを併用することもできます。
API機能を実装していない生産管理システムと、API連携とCSV連携が可能な弊社のクラウドEDIサービス『EXtelligence EDIFAS』を連携させるシーンを想定して考えてみます。エンドユーザー様の要望はシームレスに連携させたい、ということです。
この場合、基幹システムのデータベースからEAIツールがデータを受け取り、その項目を変換して『EDIFAS』側のデータ項目にマッピングします。変換したデータをRESTアダプター等の機能でAPI連携させます。逆に、『EDIFAS』で受け取った納期回答等のデータをEAIツール経由でデータベースに格納することも可能です。
その他に、Excel自動処理やETLとして利用する例も挙げられます。
Excel自動処理は企業内にある複数のExcelファイルを自動的に読み込み、データ変換や半角全角のフォーマットを整えて一つのファイルに出力することができます。
冒頭にも書きましたように、これから”つながる”時代が到来します。
この”つながる”とは企業間のデータのつながりのほか、企業内の部署間、拠点間のつながりも含まれます。社外とデータをつなげるためには、まず社内のデータがつながっている必要があります。
拠点間等の連携にはクラウドを利用する方法がありますが、システムやアプリケーション間の連携にはEAIツールを利用することで解決できるでしょう。
また、弊社の『EDIFAS』もQanat、ASTERIA WARP、ASTERIA WARP Core、DataSpiderをはじめとするEAIツールとの連携を確認しており、ご紹介も可能です。
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