数字で見る国内のRPA事情

数字で見る国内のRPA事情

 ここ数年、メディアで目にする機会が多くなってきた「RPA(Robotic Process Automation)」。欧米を中心に浸透が始まり、国内では2016年あたりから注目されているツールです。当初は、金融業やサービス業の大企業が導入のメインでしたが、最近は業種を問わず中小企業への展開も増えてきました。こういった国内のRPA事情について様々な数字から見ていきたいと思います。

 

国内のRPA導入社数は5000社を超える

 2016年の7月に一般社団法人日本RPA協会が設立されました。2018年1月の日経xTECHの記事では、導入支援サービスで先行するアビームコンサルティングが2018年末の導入累計1000社という見通しから、国内のRPA導入数は5000社を超えるといわれていました。国内大手であるNTTアドバンステクノロジの「WinActor」は導入企業3000社RPAテクノロジーズの「BizRobo!」は利用企業者数1000社を突破したとの発表を見ると、2019年5月の現時点では5000社という数字は大きく超えていると思われます。
 特に国内RPA製品の登場が多くなった2018年以降から、中小企業での盛り上がりが見えてきました。

中小企業で盛り上がるRPA~小粒な業務を現場主導で スモールスタート ~

アビームコンサルティングの調査結果では、従業員1000人未満の企業からの問い合わせが増加しており、大企業だけでなく中堅以下の企業でもRPAへの関心が高まっていると推察されています。

 

国内のRPA市場規模は2022年に800億円

 矢野研究所の調査では、製品やサービスを含むRPA市場が2022年には800億に達すると予測しています。注目すべきは毎年成長し続けている伸び率と関連サービスの拡大です。RPAは導入までがゴールのシステムではなく、導入後に社員一人一人が自分の仕事を効率化するOA(office automation)ツールです。それをサポートするために、教育やコンサルティング、シナリオ代行開発、スキルを身に着けた専門の人材派遣といったRPAを取り巻くビジネスの広がりが、市場が急成長する大きな推進力になっているのです。
 世界3大コンサルティング企業の一つであるマッキンゼー・アンド・カンパニーは、2025年までに全世界で1億人以上の知的労働者、もしくは1/3の仕事がRPAによって置き換わると推測しています。また、米国の調査機関TMRの調査によると、2024年には約1.9兆円の市場規模まで拡大するといわれており、今まさに全世界の働き方がRPAによって変わろうとしています。

 

574万人の雇用と222兆円の国内総生産

 経済産業省が2017年5月30日に発表した「新産業構造ビジョン」では、AIやRPAを活用した付加価値・生産性向上策を実施しない場合、実施した場合と比較して、2030年度には国内の労働人口の減少分よりはるかに多い、574万人の雇用と222兆円の国内総生産(GDP)が減少すると試算されています。活用した方が雇用は増加するという数字です。
 例えば 教育ビジネスを主とするMAIAは、女性の働き方を変える「RPA女子プロジェクト」をスタートしました。(THE SANKEI NEWS記事)
 家事や育児、介護など、望む形で働くことが難しかった人たちが、多様な環境で活躍できる新しい働き方になります。このように、RPAは既存の定型業務を自動化することで労働力不足を解決するとともに、それ以上にホワイトカラーの新しい仕事を創造していくのです。

 

RPAはClass1からClass2へ

 RPAによる適用範囲や自動化レベルをClass1~Class3といった数値で表すことがあります。国内のRPAはClass1であるルーチンワークの自動化から、Class2となるAIを搭載した一部非定型業務へと発展していこうとしています。つまり、既存の定型業務を自動化する目的で導入が広まっているRPAは、その先にAIの技術が加わることによって、より人間に近い例外業務や意思決定までも代行するような自律アシスタントへと進化していきます。

 

 AIが全人類の知性を超えるといわれるシンギュラリティが2045年。未来になればロボットが勝手に働いてくれるという事はありません。人間が予測できない未来に向けて、AIやRPAと向き合い、仕事のパートナーとして働く新しい時代の企業へと変化していくということを、本気で考えるタイミングになりました。25年先の私たちの働き方はどのように変化しているでしょうか。

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