Cybozu Days 2017 大阪からみるこれからのIT

Cybozu Days 2017 大阪からみるこれからのIT

20周年を迎えるサイボウズが2017年11月8~9日に幕張メッセ、2017年12月5~6日にグランフロント大阪で「Cybozu Days 2017」を開催しました。
 当社も大阪会場に参加しましたが、戦略的に先進的な取り組みをしているサイボウズが主催ということもあり、今年は例年にも増して大盛況でした。

cybozu days 2017

Cybozu Days 2017のテーマは「壁を超える」

 本テーマで、働き方や経営など幅広い分野の著名人によるセッションが実施されました。
このテーマからは様々な意味が読み取れます。
性別の壁、心の壁、人の壁、組織の壁、企業の壁、ITの壁・・・。

 本コラムでは、Cybozu Daysに参加した中で、「壁を超える」というテーマをITサービスの視点で捉え、これからのITサービスはどういったことが求められるか考えたいと思います。

 

IT利用者の壁を超える

 ITソフトウェアやITサービスは難しいと考える人はまだまだ多くいると思います。特に当社のお客様である中小製造業ではより顕著で、パソコンすら触ったことがない、Excelは触れるけど・・という人もいるでしょう。
 今回のCybozu Daysでkintone AWARDグランプリを受賞した”京屋染物店”も、来年で創業100年を迎える、職人さんが中心のITに明るくないアナログな企業でした。
 その壁を打ち破ったのがサイボウズが提供する『kintone』です。
『kintone』は、ドラッグ&ドロップでアプリの作成が可能なクラウド型業務アプリ開発プラットフォームです。同社では工程が進むたびに付箋を移していくようなアナログな工程管理をしていましたが、職人さんも含めた非IT部門全員がkintoneを活用して情報共有することで、大幅な業務効率化を実現しました。
 この事例からも分かるとおり、これからはITソフトウェアやITサービスの利用障壁が下がり、現場の人が全員IT担当となっていくと考えられます。
 実際、kintone上では毎日996個のアプリが作成され、現在稼働しているアプリは46万個以上あるそうです。これはITベンダーだけではなく、非IT部門も含めたユーザ自身が活用していることに他なりません。
 kintoneのようなサービスが象徴的ですが、今後はコラム「ノンプログラミング が熱い!7つの背景」にあるようなIT技術が浸透し、こういったサービスがどんどん誕生・拡大していくのは間違いありません。

 

ITベンダーの壁を超える

 従来、ITソフトウェアを他のITソフトウェアとつなげるということは、ユーザにとっての開発費用もさることながら、ソフトウェアやサービスを提供するITベンダー同士の利害が一致せず、高い壁がありました。
 そんな中、サイボウズが提供するGaroonやkintoneといった製品は、API(Application Programing Interface)を無償公開しています。今回、Cybozu Daysの展示エリアには、APIを利用してサイボウズの製品と連携するITサービスが東京会場で50社以上、大阪会場で40社以上もありました。「APIエコノミー」という言葉がありますが、まさにサイボウズはそれを体現しているといえるでしょう。
※APIエコノミー:ITソフトウェアのAPI公開によって、あるソフトウェアから別のソフトウェアの“機能”を呼び出し、自社だけでなく、他社のサービスも活用して広がっていく経済圏

 利用者の要求やデバイスが多様化していく中、ITベンダーが1社だけですべての要求を満たすことは難しくなっています。そのため、これからはAPIを公開しないWEBサービスは、もはやあり得ないと考えられますし、ITベンダーが競争領域と協調領域を分けてつながり、新たな価値を生み出すソリューションを提供していくということが求められています。
 また、コラム「日本版インダストリー4.0『コネクテッドインダストリーズ』は中小企業が主役?」にもありますが、政府も“つながる”ことによる効果創出を打ち出しており、この流れは今後より一層加速していくものと考えられます。

 

多様化に対応するITサービスへ

 流行語になりつつある「働き方改革」ですが、Cybozu Daysの基調講演で登壇した青野慶久社長は、「働き方改革というのは、プレミアムフライデーのような画一的な制度で実現するものではなく、働き方の『多様化』を認めるチームや制度を作っていくこと」と、自身の考えを話しています。
 働き方が多様化することで、ITを使う人が多様化し、求める要求が多様化してきます。
これからの社会がその方向に向かっていくとき、ITサービスもまたそれらを支えるものでなくてはなりません。
 したがって、クラウド、IoT、AIなどの様々なIT技術が登場してはいますが、これらの技術を「多様化」というものに、どのように対応させ、サービスとして提供できるかが重要なのです。
 上述のように、IT利用者の壁を超え、ITベンダーの壁を超えるITサービスこそが、多様化する利用者にとって本当の価値を提供していくでしょう。
 当社も中小製造業のIT化の壁を打ち破るべく、kintoneと連携するクラウドEDIサービス『EXtelligence EDIFAS』をはじめ、様々なサービスの提供に取り組んでいきます。

Cybozu Days 2017 大阪について、「働き方改革」の点から書いた記事もどうぞ!
Cybozu Days 2017 大阪から考える「働き方改革」!

 

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