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エクス発のRPA「Owlgarden RPA」登場!

 2019年11月に弊社が開発した『Owlgarden(オウルガーデン) RPA』をリリースしました。これまで本コラムでも掲載してきましたが、RPAは日本の労働力不足・生産性向上の課題を解決するツールとして注目されています。日本には既に多くのRPAがあり、サーバ型やデスクトップ型といった導入タイプから、UIの認識技術、対応アプリケーション、価格など、製品によって様々なタイプが登場しています。その中で、我々が自信をもって提供する『Owlgarden RPA』は、次のような特徴を持っています。

  • ブロックを繋げるようにシナリオを組んでいく直観的で分かりやすいUI
  • データベース連携やデータ加工などのEAI機能を標準搭載
  • 基幹システムに多い表形式の画面を操作する明細認識

 今回はリリース直後ということで『Owlgarden RPA』の特徴と合わせて、製品詳細サイトでは紹介しきれなかった開発背景やこれまでのRPA製品との違いについて解説させていただきます。

 

直観的で分かりやすいUI

 これまでも「分かりやすい」「簡単」「プログラム知識不要」をセールスポイントとしているRPA製品はたくさんありました。やはりパソコン作業を自動化するRPAとしては、現場の社員自らがツールを使いこなし、自分で作業自動化に取り組み、そこから生産性の高い働き方を考えていくというサイクルができてこそ、企業全体の働き方改革になると考えています。一般的にはフローチャートや1行ずつ処理を羅列していくような画面を持つRPAが多い中、『Owlgarden RPA』の大きな違いは”ブロックを繋げるようにシナリオを組んでいくUI”にあります。
 

 ブロック1つ1つが「クリック」「文字入力」「メール送信」といった処理の塊になっており、人間が行う作業手順と同じように左から右へ並べていくことで、自動化のシナリオを作成していきます。ブロックはそれぞれ作業の内容によって色分けされているため、どのような処理が並んでいるかを一目で把握でき、理の並び替えやグループ化の整理も直観的な操作になっています。
 これは、小学生のプログラミング教育にも使われる『Sclatch』や『レゴWeDo 2.0』の操作感覚に近く、これまでのRPA製品と比べて、初心者が非常になじみやすいツールになっています。小学生が直観的に分かりやすいと感じられる形式であるならば、プログラミング経験のない大人でもきっと学びが早いでしょう。
 

EAI機能標準搭載

 EAIとは「Enterprise Application Integration」の略で、異なる複数のシステムやアプリケーションをつなぎ、データを統合させるツールのことです。『Owlgarden RPA』はExcelやメール操作はもちろん、データベースへの接続機能を標準搭載しています。これまでのRPAはデータベース接続の機能まで含む製品は珍しく、オプションになっていたり、他社EAI製品との連携が必要になるものが多いと思います。
 これは、弊社が25年にわたって生産管理システムを提供してきた企業だからこそ、標準機能での実装にこだわった部分になります。多くの企業がデータベースを利用した基幹システムを導入していること、またそれを扱う人間の作業こそRPAで自動化できる範囲が大きいのではないかと考えた結果です。

 2019年11月時点では『Oracle』と『PostgreSQL』の対応としていますが、今後も継続的に新しいデータベースへ連携できるように機能追加を予定しています。

 

表形式の画面を操作する「明細認識」

 パソコンのUI操作を自動化するためには、導入するRPAがどのような認識技術を持っているかが大きなポイントとなります。『Owlgarden RPA』では、WindowsアプリケーションやWebブラウザのプログラムを解析する「構造認識」と、ディスプレイに表示されているUIを画像としてマッチングさせる「画像認識」の両方の技術を搭載しています。RPA市場の傾向としても、より安定した自動化や適用範囲を広くするため、このように両方の技術をもった製品が増えてきました。
 次の画像は、弊社生産管理システム『Factory-ONE 電脳工場』の在庫照会画面になります。例えば、RPAで10月末時点の在庫数「88」という値を取得したいと思っても、表形式(明細)画面のUIを1つのオブジェクトとして認識してしまいます。これは、RPAで自動化にチャレンジする時の残念な”あるある”といえます。一般的にはこのような場合、「画像認識」を使って目印(アンカー)となる画像から座標値を指定し、その位置の数値をOCRで値として取得する方法で自動化を実現します。しかし、画像や座標による認識もOCR精度も安定するとはいえません。

 
 このような表形式(明細)画面をもつ基幹システムは非常に多く、RPAによる作業自動化のハードルになっていると考えています。『Owlgarden RPA』は「明細認識」という技術を搭載しており、表形式(明細)画面の構成や値を構造的に解析することで、文字の取得や入力、クリックなどの安定した操作を実現しています。
 

RPAの個性もいろいろ

 これまで『Owlgarden RPA』の特長を紹介してきましたが、他の製品にも強み・弱みは当然あります。これから導入を検討される方も多いとは思いますが、数あるRPA製品の中から理想の1つを選ぶことだけが正解とは限りません。毎年、性格も得意分野も異なる新入社員を採用するように、RPAも得意分野の異なる製品を導入(採用)し、最適な業務へ適用(配属)させて、それぞれが連携(コミュニケーション)できるような環境・組織づくりが、これからのRPA社会に必要なのかもしれません。
 

 弊社が提供する『Owlgarden RPA』は、“基幹システムに強い”RPAです。現場の担当者が自分の業務を自分で自動化できる直感的なシナリオエディター、基幹システムとの連携に強いEAI(データ連携)機能や認識技術により、あらゆる業務の自動化を実現します。従来のデスクトップ型RPAでは難しい大量データの処理もEAIで克服可能です。

中小企業の災害対策にみる、コミュニケーションの重要性

 昨年に引き続き、今秋も台風による甚大な被害が日本にもたらされました。とりわけ台風19号(ハギビス)は超巨大台風であり、千葉県を中心とする関東地方において大きな被害を出しました。これらの異常気象は去年、今年で終わるものではなく、今後、地球温暖化が進むにつれて、むしろ進行していくでしょう。加えて、日本は地震大国でもあるので、いつ何時自分が自然災害の被害者になるのか予想できない状況です。そのうち自分の身に自然災害が降りかかると想定し、日頃から災害対策をする必要があります。同じことは個人だけではなく、企業にもいえます。企業にも、いつ何時巨大台風や大きな地震などの自然災害が危害を及ぼすかわかりません。安定した経営を続けるためにも、災害対策について考えることは有益です。今回のコラムでは今一度、中小企業の災害対策について考えていきたいと思います。

 

自然災害に関する中小企業の現状

 2019年版「中小企業白書」(以下、中小企業白書)では、中小企業が実際に受けた自然災害の被害例を記載しています。2018年には、「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」や「台風第19~21号」、「北海道胆振東部地震」など、中小企業が大きな被害を受けた自然災害が多くありました。以下の図は、それらの自然災害における中小企業の被害額です。

図1:2018年発生の自然災害における中小企業の被害例

中小企業庁「2019年版中小企業白書」中小企業庁「中小企業の防災・減災対策に関する現状と課題について」(2018年11月)を参考に(株)エクスが作成

 このように2018年だけを見ても、中小企業の自然災害での被害は甚大であると分かります。また「平成30年7月の西日本豪雨」、「平成28年4月の熊本地震」、「平成23年3月の東日本大震災」といった災害別の物的損失額も示されており、いずれの災害においてもほとんどの企業が100万円以上の物的損失を被っていると明らかにされています。自然災害は中小企業に大きな損失を与えるとともに、営業停止にまで追い込む可能性があります。

図2:被災した災害別に見た、被った物的損失額


中小企業庁「2019年版中小企業白書」を参考に(株)エクスが作成
(注)1.過去に事業上の被災経験があり、物的損害を被った者の回答を集計している。
   2.「平成23年3月:東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)」は、自然災害による損害に限って集計している。

 
 現在は、グローバル化によって全世界を巻き込んだ競争を強いられ、中小企業は安定した経営を継続させることが容易ではない時代です。そんな時代だからこそ、予期しない自然災害は企業の経営にとって大きな痛手となります。損失が出るうえに、営業停止で売り上げが上がらない時期が続くと、最悪の場合は廃業する企業が出るかもしれません。
 しかしながら、自然災害に対する中小企業の対策は現時点では十分とはいえません。中小企業白書によると、調査対象企業の半数以上が自然災害への具体的な備えを行っていないことが示されています。

図3:自然災害への備えに具体的に取り組んでいる割合



中小企業庁「2019年版中小企業白書」を参考に(株)エクスが作成

 また自然災害に関する自社が抱えるリスクの把握についても、従業員規模に関わらず、どの中小企業でも半数以上が現時点では把握していないことがデータとして示されています。

図4:従業員規模別に見た、自然災害に関して自社が抱えるリスクの把握状況


中小企業庁「2019年版中小企業白書」を参考に(株)エクスが作成
(注)自然災害に関して自社が抱えるリスクとは、「事業所等に対する、水災による浸水リスク・地震による損壊リスク等」のことを指す。

 このように、現在の中小企業の自然災害への対策は十分とはいえない状況です。自然災害は今日、この瞬間に発生する可能性があります。自社のリスクをしっかりと把握し、具体的な備えをすることが、あらゆる中小企業に求められるでしょう。

 

自社のみならず、取引先も含めた災害対策の必要性

 さらには、これからの時代は自社の災害対策のみを考えれば十分というわけではありません。中小企業白書では、自然災害が中小企業に与える損害について言及しており、「販売先・顧客の被災による、売上の減少」や、「仕入先の被災による、自社への原材料等の供給停止」といった、自社の被災のみならず、取引先が被災することによる損害が数多く発生していると明らかにされています。

図5:被災によって受けた被害の内容



中小企業庁「2019年版中小企業白書」を参考に(株)エクスが作成
(注)1.複数回答のため、合計は必ずしも100%にはならない。
   2.過去の被災により、事業上の損害を受けた経験がある者の回答を 集計している。

 加えて、被災して取引先が減少した企業は、取引数が横ばいの企業に比べて、下がった売上高が元の水準に戻るまで1年超かかった割合や、元の水準に戻っていない割合が高くなっていることも明らかになっています。

図6:被災による取引先数の減少有無別に見た、下がった売上高が元の水準に戻るまでの期間



中小企業庁「2019年版中小企業白書」を参考に(株)エクスが作成
(注)1.取引先数の変化は、被災3か月後における被災前との比較について表している。
   2.被災3か月後において、被災前と比較し売上高が減少したと回答した者を集計している。

 これからは自社の災害対策のみならず、サプライチェーン内の取引先の災害対策も視野に入れる必要があるといえます。中小企業白書には、仕入先をも含めた事業継続計画(BCP)の策定に着手した企業の具体例が掲載されています。

 

災害対策の鍵は、日頃のコミュニケーション

 では、どのように取引先を含めた災害対策を実現するのでしょうか。最初に考えられるのが「事業継続計画(BCP)」の策定です。BCPとは、「大地震などの自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化などの不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、又は中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制。手順などを示した計画」(中小企業庁、2019年中小企業白書、p.447)のことです。BCPに関しては以前のコラム「何かあってからでは遅い!製造業におけるBCPの重要性とIT活用」で詳しく紹介しておりますので、そちらをご覧ください。

何かあってからでは遅い!製造業におけるBCPの重要性とIT活用

 BCPに関わらず災害対策に関しては、日頃からコミュニケーションを通じた企業同士の繋がりを実現することが重要です。災害対策として対策内容を取引先に共有すること、万が一被災した後も取引先の企業に対して被災状況を迅速に伝えることなど、コミュニケーションを綿密に図ることが災害対策の鍵となります。
 そういった綿密な企業間コミュニケーションの実施には、メールや電話、ファックスといった今までの様々な情報共有手段を超えた新たな手段を考える必要があります。そこで有効なのは、企業間のコミュニケーションを支援するITサービスの利活用です。例えば、情報交換の履歴を残すことができ、誤送信なしに情報共有ができること、複数のメンバーで共有すべき情報を一斉に伝達することができる機能があるなど、簡単で安全、そして便利なサービスが良いと思われます。

 

改めて災害対策について考えることで、真の安定した経営を実現

 以上のように、自然災害対策には企業同士がしっかりと連携し、コミュニケーションを取り合うことが重要です。日常からの綿密なコミュニケーション、そして有益な情報の共有が突発的に発生する災害への対策となり、企業が安定して成長し続けられる要因となることでしょう。今改めて自然災害への対策について考えることで、未来の経営の安定化を実現していきましょう。

 弊社では、「EXtelligence SCB」というサービスをご用意しております。「EXtelligence SCB」は、弊社が提供する知的プラットフォーム「EXtelligence」のサービスのひとつで、クラウド型企業間グループウェアサービスです。SCBを使うことで、低コストかつ短期間で企業間の情報共有基盤を構築することができます。情報の一元化を図りながら、情報を正確に取引先に伝えることができ、加えて取引先同士で情報の共有ができるため、災害対策のコミュニケーション強化に打って付けのサービスです。取引先とのコミュニケーションやサプライチェーン・マネジメントに関して少しでも不安や気になることがあれば、是非「EXtelligence SCB」をご検討ください。

グローバル時代において中小企業は何を意識する必要があるのか!?

 今日、「グローバル化」という言葉を聞かない日はないほど、世界のグローバル化は加速しています。グローバル化の流れの中で世界は一体化の傾向にあり、人、モノ、情報など、あらゆる物事が国境を飛び越えて行き来する時代になっています。もちろんグローバル化の流れは中小企業に関しても無視できないものです。2019年版「中小企業白書」では、「構造変化への対応」という章の中で、グローバル化について取り上げており、中小企業の経営者が昨今の時代をどのように捉え、行動していくべきかがデータや事例に基づいて述べられています。今回は、グローバル時代に焦点を当て、中小企業を取り巻く状況を明らかにするとともに、今後、世界が一体化する時代の中で、企業が生き残るには何を意識する必要があるかを考えていきたいと思います。

 

中小企業に差し迫るグローバル化の流れ

 2019年版「中小企業白書」では、グローバル時代における企業の海外展開の状況が明らかにされています。図1は、大企業と中小企業の直接輸出企業割合の近年の推移を示しています。大企業はここ10年あまり、直接輸出はほぼ横ばいですが、中小企業は徐々に直接輸出の割合を増加させていることがわかります。

図1:大企業と中小企業における直接輸出企業割合の推移


経済産業省「企業活動基本調査」中小企業庁「2019年版中小企業白書」を参考に(株)エクスが作成

 また、海外直接投資の状況を見ても、企業にグローバル化の流れが来ていることを見て取ることができます。図2では、大企業と中小企業の海外現地法人の保有率の推移を示しています。大企業、中小企業ともにここ10年余りの間、右肩上がりで数値が伸びていますが、とりわけ中小企業は10%程度数値が上昇するなど、大きな飛躍を見せています。

図2:大企業と中小企業における海外子会社を保有する企業割合の推移



経済産業省「企業活動基本調査」中小企業庁「2019年版中小企業白書」を参考に(株)エクスが作成

(注)
 1. 海外子会社を保有する企業とは、年度末時点において海外に子会社又は関連会社を所有している企業をいう。
 2. 「子会社」とは、当該会社が50%超の議決権を所有する会社をいう。子会社又は当該会社と子会社の合計で50%超の議決権を有する会社を含む。「関連会社」とは、当該会社が20%以上50%以下の議決権を直接所有している会社をいう。

 以上のように、海外直接輸出、海外直接投資ともに近年活発になっていることがわかります。すなわちグローバル時代において、企業はその規模の大小を問わず、国内のみに留まるのではなく、世界に進出しようとしています。とりわけ海外直接投資に関しては、大企業、中小企業ともに順調な数値の上昇を見せており、企業が国外に生産拠点を移している傾向にあることがわかります。

 

グローバル化が及ぼす中小企業への影響

 このようなグローバル化は中小企業に大きな影響を及ぼしています。最初に考えられるのが「グローバル市場における競争の激化」です。グローバル化に伴って国境の役割が薄れ、国と国の間を人やモノが自由に行き来出来る時代だからこそ、国内だけでビジネスが完結する時代は終焉し、否が応でも企業は世界という大きな土俵で戦うことを強いられます。安い労働力を武器に、性能の良い製品を安価で提供する企業も出てくることでしょう。その中で日本の中小企業がどう立ち振る舞うかは模索していかなければなりません。
 しかし、それ以外にも中小企業に大きな影響を与える要素があります。それが「取引先の海外移転」です。海外直接投資が増加傾向にあることは先ほど明らかにしましたが、今まで国内に存在していた取引先が、部門を海外に移すことはよく耳にする話でしょう。このグローバル化の時代において、日本の中小企業は国内だけの取引先を想定しているだけでは不十分であり、全世界に広がる取引先を想定した経営を行う必要があるといえます。すなわち、グローバル・サプライチェーン・マネジメントが求められているといえるでしょう。

 

コミュニケーションの精密化が鍵となる

 このような国内外に広がった取引先のマネジメントを実現するには、何を意識する必要があるのでしょうか。国外という物理的距離の離れた企業との効果的なやり取りをするのは、国内の企業との連携以上に大変なものがあります。すなわち、国内の企業とのやりとり以上にコミュニケーションの精密化を意識する必要があるといえるでしょう。
 では、どのようにコミュニケーションの精密化を図っていけば良いのでしょうか。メールや電話、ファックスといった今までの様々な情報共有手段では、複数の取引先相手に効果的に情報共有等のコミュニケーションを取るのは限界があります。加えて、取引先が世界各地に散在している状況では、なおさら管理が難しいと考えられます。
 よって、そのような従来のコミュニケーション手段を超えた新たな手段を準備する必要があります。そこで有効なのは企業間のコミュニケーションを支援するITサービスの利活用です。例えば、情報交換の履歴を残すことができ、情報共有時に発生する認識の相違の問題を防ぐ機能があることや、複数のメンバーで共有すべき情報を一斉に伝達することができる機能があること、また多言語に対応していることなど、簡単で安全かつ便利なサービスが適しているといえます。
 「コネクテッドインダストリーズ」が叫ばれ、企業間の繋がりが推し進められている昨今だからこそ、企業間でスムーズに情報共有できる状態を実現することが、企業の安定的な成長に不可欠であるといえるでしょう。

 弊社では、「EXtelligence SCB」というサービスをご用意しております。「EXtelligence SCB」は、弊社が提供する知的プラットフォーム「EXtelligence」のサービスの一つで、クラウド型企業間グループウェアサービスです。SCBを使うことで、低コストかつ短期間で企業間の情報共有基盤を構築することができます。情報の一元化を図りながら、情報を正確に取引先に伝えることができ、グローバル時代のコミュニケーション強化に打って付けのサービスです。多言語にも対応しているため、海外との情報交換も可能です。取引先とのコミュニケーションやサプライチェーン・マネジメントに関して少しでも不安や気になることがあれば、是非「EXtelligence SCB」をご検討ください。

技能継承にITの力を!今、中小企業が考えるべきこととは?

 経済産業省が毎年刊行している「製造基盤白書」(ものづくり白書)が今年も刊行されています。2019年版ものづくり白書では、「第四次産業革命の進展」、「グローバル化の展開と保護主義の高まり」、「ソーシャルビジネスの加速」が主題であり、グローバル化の激流の中での日本の製造業の現状と課題、そして競争力をつける方策が記載されています。
 日本の製造業の現状と課題は様々ですが、今回は、2019年版ものづくり白書で言及されている中でも今後特に重要なテーマとなる「技能継承」に焦点を当てたいと思います。

 

製造業における技能継承の実態

 2019年版ものづくり白書によると、ものづくり産業における技能継承問題は、昨日今日の話ではないことが記述されています。団塊の世代が60歳を迎えた時の「2007年問題」、65歳を迎えた時の「2012年問題」と、周期的に技能継承は世間の話題となってきました。しかし、ここ最近、かつて以上に「技能継承」が注目を集めているようです。
 例えば、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)による「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査」では、製造業の約94%が技能継承を重要と感じていることが明らかになっています。このように「技能継承」への認識が高まる一方で、同調査では、8割以上もの企業が技能継承に不安を感じていることが明らかにされています。


技能継承への企業の意識

JILPT「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査」(2018年)を参考に株式会社エクスが作成

 また、厚生労働省「平成30年度能力開発基本調査」でも、技能継承に問題のある事業所として製造業では86.5%が当てはまるなど、製造業の技能継承に課題があることは自明でしょう。


技能継承に問題のある事業所(産業・企業別規模)

厚生労働省「平成30年度能力開発基本調査」を参考に株式会社エクスが作成

 この厳しい状況の中で、各企業は技能継承への取り組みを模索、実施しています。例えば、「高年齢従業員の継続雇用」や「技能継承対象者への訓練」など様々な取り組みが挙げられますが、とりわけ技能継承がうまくいっている企業とうまくいっていない企業の間に大きな差が見られるのが、「技能の見える化を図る」という取り組みです。2019年版ものづくり白書では、「継承すべき技能の見える化(テキスト化・マニュアル化・IT化)は技能継承の成否の重要なファクターである」(経済産業省、2019年版ものづくり白書、p.217)と記載されるほど、技能継承において「見える化」は欠かせないものとなっています。

 上記のように、「見える化」にはテキスト化、マニュアル化、IT化がありますが、第4次産業革命の進展によるIoT、AI、ビッグデータなどの新技術の普及・進化、情報社会の中では、高度な技能を生産性の高い技術へと転換するITにとりわけ注目が集まっています。すなわち、技能継承がうまくいくか、いかないかを決める要素の大きな一つに、技能のIT化があります。
 
 では、技能継承におけるIT化とは一体どのようなものなのでしょうか。以下で具体例を少しご紹介します。

技能継承におけるIT化について

 2019年版ものづくり白書(経済産業省)では、「AIによる技能継承」や「AR技術を用いた技能継承」の具体例が紹介されています。「AIによる技能継承」では、株式会社LIGHTzによる、AIのニューラルネットワーク技術を用いた熟練者の知見のデジタル化が紹介されています。また「AR技術を用いた技能継承」では、東京都にある職業能力開発総合大学校によって開発された建築施工実習用教材の事例が挙げられています。建築分野の施工実習において完成モデルをARで映し出し、初心者でも熟練技能者が見ている世界を体験しながら作業ができるというものです。
 

熟練者の技能継承のみならず、
日々の属人化した業務の継承も重要

 製造業における技能継承の現状と課題、そして各企業の「見える化」への取り組みを見てきました。熟練者の技能の継承は、今後、企業が持続的に事業を進める上で大変重要なものに違いはないですが、中小企業においては熟練者の技能を超えた、より広い視野での「継承」を考える必要があります。
 現在、中小企業においては、業務が特定の担当者に集中している状態が多々存在しています。この状況下では、日常業務のレベルで担当者にしかできない業務、すなわち属人化している業務が多く発生している可能性があります。よって、熟練者のみならず、担当者の不在によっても業務の継続が困難になってしまいます。

 このような状況を考慮すると、中小企業が今後安定して事業を継続する上では、熟練者の技能継承のみならず、「日常業務の継承」も必要となり、各企業にとって何らかの取り組みを進めるのが得策であると考えられます。
 

RPAを用いた自動化

 しかしながら、慢性的な人手不足等が起因し、熟練者の技能の継承でさえも十分とはいえない中小製造業の企業が、日常業務の継承に関して新たな人手と時間の確保をするのは現実的ではありません。ですので、技能の受け手の有無に関わらず技能継承をできる仕組みを考える必要があります。

 以上のことから、本コラムが1つの手段としてご提案するのが、RPAを用いた業務の自動化です。RPAに関しましては、何度も本コラムの別記事でご紹介してきましたので、そちらをご覧ください。

最近話題のRPAとは何か?何ができるのか?

 人による業務をRPAに継承すれば、担当者が不在の間でも自動で業務を実行されるように環境を整えることができます。新たな人材を採用せずに技能継承が行える、継承後はRPAが自動で業務を行ってくれるという点から、現在の中小企業における日常業務レベルの技能継承において、RPAは最適なソリューションであると考えられます。

 弊社ではこの度、『Owlgarden(オウルガーデン) RPA』というRPA製品を開発いたしました。『Owlgarden RPA』は、“基幹システムに強い”RPAです。現場の担当者が自分の業務を自分で自動化できる直感的なシナリオエディター、基幹システムとの連携に強いEAI(データ連携)機能や多彩な認識技術により、あらゆる業務の自動化を実現できます。本製品の導入により、属人化している業務も担当者自身の手でカンタンに「継承」することが可能です。「技能継承」に関する不安や気になることがあれば、是非、『Owlgarden RPA』をご検討ください。

CI時代の救世主となるか!?
クラウド統合プラットフォーム『iPaaS』

 “つながり”が重要なCI(Connected Industries)時代、システム連携の重要性が高まっていますが、クラウドの発展によりシームレスなシステム連携が可能になりました。しかし、連携が可能なことと簡単なことは異なります。今回はシステム連携を簡単に実現するという『iPaaS』を紹介します。

iPaaSとは

 iPaaSは、「integration Platform as a Service」の略で、クラウド統合プラットフォームと呼ばれています。
 ガートナーではiPaaSを「個々の組織内または複数の組織内のオンプレミスとクラウドベースのプロセス、サービス、アプリケーション、およびデータの任意の組み合わせを結び付ける統合フローの開発、実行および管理を可能にする一連のクラウドサービス」と定義しています。簡単に言い換えるとiPaaSは、「クラウド内およびクラウドと企業間の統合を構築し展開するためのプラットフォーム」です。
 データ連携ツールで耳にするEAI/ESBはオンプレミス型で提供するのが一般的であるのに対し、iPaaSはクラウドで提供されます。EAI/ESBよりリアルタイムな連携に適しているのが特長です。 

 

iPaaS台頭の背景

 iPaaSの発展は、クラウドサービスの急激な進展と普及によって、統合が極めて複雑になってきたことに起因します。クラウド時代になり、クラウドサービス同士やオンプレミスとの連携はAPIを通じて可能になりました。しかし、複数システムの連携を自社内で実現・管理するにはコストと手間がかかります。サードパーティーとして提供されるiPaaSを活用することで、システム統合をプラットフォーム内で一元管理することが可能になり、統合にかかる時間と労力、そしてコストを削減することができます。 

 

iPaaSによるユーザーメリット

 iPaaS自体がクラウド上で提供されるため、ユーザーはシステム連携の設計をクラウド上で完結することができます。
 また、マルチテナントにより、iPaaS提供元が連携口を管理し仕様変更を一元管理できるので、ユーザー側でのメンテナンスを減らすことで低コストでの提供が可能です。 

 

iPaaSが求められるCI時代

 より簡単にシステム連携を実現させる必要が出てきた背景として、『Connected Industries』が挙げられます。システム間、企業間でデータを介して“つながる”、そして生産性向上が求められています。企業間でデータを連携するにはクラウドが最適ですが、企業内では依然としてオンプレミスの基幹システムが残っています。クラウド間、クラウドとオンプレミス間の連携を如何に実現できるかがCI実現の鍵となります。 

 

まとめ

 システム同士、部門間、企業間で“つながる”ことが求められるCI時代、データ連携・統合の仕組みの重要性が増してきます。データ連携の管理を一元管理可能なiPaaSは、今後よりメジャーになってくるでしょう。しかし、クラウド側からオンプレミスへのシステム連携は、セキュリティ面で問題が生じるなど課題があります。iPaaSは、より安全に、より簡単にシステム連携を実現し、CI自体の救世主となれるのか、今後の動向に注目しましょう。

令和2年度 の概算要求からみる「 ものづくり補助金 」の行方

 各省庁から令和2年度予算の概算要求が出揃い財務省にて取りまとめられました。各省庁が提出した概算要求の総額は一般会計で約105兆円となり、平成31年度予算の要求総額102.8兆円を超え、2年連続過去最大となっています。その中で、中小製造業が特に関係する『ものづくり補助金』が来年どうなるか気になるところです。今回は公表された概算要求から令和2年度の『ものづくり補助金』を予想し、今から準備できることを示したいと思います。

 

企業間連携の予算は拡大、企業が単独申請するものづくり補助金は補正予算に含まれることが濃厚

 経済産業省の令和2年度概算要求のうち、中小企業・小規模事業者関係の要求も平成31年度の1318億円から1386億円へ増額しました。しかしその中で、ものづくり補助金における、複数企業がデータ連携する場合の設備投資等を支援する「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」は、昨年同様、当初予算として概算要求に組み込まれているものの、前年100億円から70億円へ減少しています。というのも、平成31年度の概算要求時点では、「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」という名で、企業が単独申請する「試作開発型」も含んだ形式にしていましたが、平成31年度当初予算成立時には「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」という名になり、複数企業がデータ連携する場合の支援に絞り込まれました。平成31年度「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」の当初予算は50億円ですので、それと比較すると今回の概算要求は拡大したものと考えてよいでしょう。

 一方、企業が単独申請するものづくり補助金は、平成31年度の当初予算から外れたものの、平成30年度の第2次補正予算で、過去最大級の1100億円規模で組まれた「中小企業生産性革命推進事業」に「IT導入補助金」と「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」として含まれていました。したがって、企業が単独申請するものづくり補助金については、規模は不明ながらも昨年同様、補正予算で割り当てされることが濃厚です。

 

政府の思惑とは裏腹に企業間連携による補助金申請が低調

 昨年度からものづくり補助金が当初予算に組み込まれたのは、中小製造業にとって大きな前進です。そして、先述の概算要求の内訳から、政府としては複数企業がデータ連携することによる生産性向上を優先して期待していることが伺えます。しかし、過去の公募結果を見る限り、企業が単独申請する形式のものづくり補助金と比較すると、その活用は限定的のようです。

 平成29年度補正予算のものづくり補助金で新設された「企業間データ活用型」では、企業が単独申請する「一般型」等と共に公募受付されましたが、採択者全体の約0.4%(53件)という結果になりました。また、現在、2次公募が始まっている平成30年度第2次補正予算の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の1次公募結果が14927者の応募で7468者の採択に対し、平成31年度「ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金」の1次公募結果は、全国で139件、344者の応募で、96件、238者の採択に留まりました。「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」の予算規模が800億円に対し、「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」の予算規模が50億円とはいえ、応募件数はかなり少ないのが実状のようです。徐々に拡大傾向にあるとはいえ、企業間連携による効率化に取り組む企業をどのように増やすかが課題といえます。
 

補助要件を緩和し企業間連携による生産性向上への取り組みを期待

 そういった背景からか、今回の概算要求のPR資料によると令和2年度の「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」は補助要件が緩和される見込みです。「企業間データ活用型」の後継である「企業間連携型」は、従来、ほかの多くの事業と同様に事業実施期間が1年間でしたが、企業間のデータ連携による新たな付加価値創出や生産性向上には特に時間が掛かるため、最大2年間の支援を行う考えのようです。さらに補助上限額を平成31年度の2000万円から3000万円に拡大して要求しています。

出典:経済産業省 令和2年度経済産業省概算要求のPR資料

 また、今回から『サプライチェーン効率化型』という新たな類型を作ろうとしているようです。「企業間連携型」では連携体の幹事企業だけではなく、連携体に参加する取引企業が共に申請する必要があり、ハードルが若干高いものでした。しかし、『サプライチェーン効率化型』では幹事企業が代表して申請すればよいので、補助金をより活用しやすくなるといえるでしょう。
 

単独申請のものづくり補助金は補正予算次第、企業間連携型は今から準備を

 先述のとおり、企業が単独申請する「一般型」等のものづくり補助金は補正予算次第となります。ですので、現在、概算要求で明らかになっている「企業間連携型」や新たな類型「サプライチェーン効率型」の利用準備を進めてはいかがでしょうか。「企業間連携型」は事業実施期間が2年間になっても、公募期間が長くなるかは公募事業を運営する事務局次第となりますので、早く申請準備するに越したことはありません。政府から事業でどのような取り組みを想定しているのか、例が公表されていますのでご参照ください。

出典:全国中小企業団体中央会 平成31年度ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金で想定される取組例
 
 中小企業共通EDIを利用したFAXや電話で行っていた受発注業務の電子化など、中小企業でも取り組みやすい内容もあります。
中小企業共通EDIについてはこちらの記事もご覧ください。

中小製造業の生産性向上!「中小企業共通EDI」とは

 いずれにせよ連携体での申請となる以上、取引企業への協力打診や役割分担の決定等が必要となります。取引企業の協力を得るのは最も時間が掛かるので、申請を考えている企業は今からでも取引先に相談しましょう。また、政府が推進している「先端設備導入計画の認定」、「経営革新計画の承認」は、単独申請型のものづくり補助金でも加点要素、補助率アップ条件となる公算が高いので、今から取り組んでおくと申請時に有利に働くでしょう。
 
 いかがでしたでしょうか。政府としては高度連携推進事業という名前の通り、コネクテッドインダストリーズの実現に”つながる”ことを強力に促しています。現時点では概算要求ですので、会期末の予算成立まで不確定な状況ですが、今から準備を進めておいて損はありません。予算の少ない中小企業は、補助金を上手に利用するべくアンテナをしっかり張りましょう。
 
 弊社では企業間データ活用型の取り組み例に挙げられた中小企業共通EDIに対応したクラウドEDIサービスを提供していますので、お気軽にお問い合わせください。

結局どちらがいいの?サーバ型とデスクトップ型RPA~中小企業のRPA導入~

 働き方改革の代名詞になりつつあるRPA(Robotic Process Automation)ですが、RPAにも様々な製品があります。大別すると、「サーバ型RPA」と「デスクトップ型RPA」の2つに分類できます。今回はそれぞれのRPAの特徴と、中小企業が導入する場合、どちらを選ぶべきかを理由とともにご紹介します。

RPAの種類

 RPAの種類は大きく分けて「サーバ型」と「デスクトップ型」があります。

 サーバ型

 サーバ型は、業務自動化を実行するロボットがサーバ内で働くため、業務を横断した一括管理が可能になります。また、各PCを管理し、100体以上のロボットを働かせることが可能なため、大量データを扱うことも可能。大規模展開につながるため、全体最適を実現することが可能です。
 しかし、一方で対象範囲が広いため、業務整理に工数がかかり、外部のコンサル会社等の支援やソフトウェア代を含め、初期費用やランニングコストが高くなります。

 

 デスクトップ型

 RPAがPC内で働くため、PC内の範囲に限定されます。対象範囲は担当者レベルの業務を効率化するため、部分最適を実現します。
 サーバ型に比べ、業務範囲が狭いため業務整理にかかる工数も少なく、初期費用やランニングコストも低いことがメリットとして挙げられます。小規模導入に向いているため、スモールスタートが可能です。
 今回ご紹介したような自分のデスクトップ作業レベルでの自動化は、RPAならぬRDA(Robotic Desktop Automation)という概念も出ています。RDAについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

RPAは高い?中小企業にもお薦めの自動化ツール RDA とは

 サーバ型とデスクトップ型のRPAを比較した場合、下記の表のようになります。

サーバ型
デスクトップ型
価格 高い 安い
導入前の準備 多い 少ない
最適化の範囲 全体最適 部分最適
導入効果
管理範囲 全社レベル 担当者・端末レベル

 

中小企業ではどちらのRPAがいいのか?

 各社の状況次第ですが、次に紹介する理由から、中小企業ではまずデスクトップ型から導入を検討してはいかがでしょうか。
 デスクトップ型RPAは部分最適に適しているため、部分最適ではなく全体最適が可能なサーバ型の方がいいと感じられるかもしれませんが、中小企業の現状を踏まえるとデスクトップ型RPAから段階的に導入すると効果的な場合もあります。
 

 デスクトップ型をオススメする理由

1.価格が安く、始めやすい

 比較表にあるように、デスクトップ型の方が安価で、導入に必要な業務整理の工数が少なく済みます。コンサルの支援を受ける場合、検討段階やPoC段階でもある程度のまとまった費用が必要となりますが、部分最適であれば一番業務を知っている担当者が対応することで導入コストを抑えることができます。
 

2.全体最適はERPや基幹システムが担う

 『中小企業で盛り上がるRPA ~小粒な業務を現場主導でスモールスタート ~』でご紹介したように、全体最適の対象となるような大粒の業務は、RPAではなく基幹が担うといった棲み分けが可能です。中小企業では古い基幹システムを使い続けている企業も少なくなく、全体最適を考えるときに、基幹システムのリプレイスも含め検討すべき事項となります。
 基幹システムで効率化する全体最適の範囲から外れた小粒な業務を対象に、RPAは部分最適を実現することが可能です。
 

3.RPA担当者の時間を創出

 サーバ型RPAで全体最適を実現するためには、社内ヒアリングや調整、外部のコンサルの支援を要請するなど、RPA推進プロジェクトを立ち上げる必要が出てきます。しかし、中小企業では人手不足で様々な業務を兼任する例が多く、RPAプロジェクトの専任担当者を選べる企業は多くありません。
 RPAプロジェクトの担当になる人物は、システム担当者、もしくは社内調整や部署内での影響力を持つ人、企業のキーマンが選ばれることが多いのですが、中小企業ではキーマンに負荷が集中している実情があります。
 RPAで全体最適実現を検討する時間を生み出すために、キーマンにかかる負荷を軽減させ、余力のあるタイミングで人と時間とお金をかけて、全体最適に向けて動き出す段階的導入をしてはいかがでしょうか。
 

4.システム入替に伴う運用変更

 現在、中小企業は「2025年の崖」に挙げられるようなレガシーシステムの入替、サポート終了の対応、OS対応などを行っている、もしくはこれから対応が必要な企業が多く、システム運用に変化が起こることが想定されます。そうすると、RPAの導入については全体の流れを再度整理する必要があり、サーバ型のように対象範囲が大きいと二度手間とならないように、対応が落ち着くまで効率化に手を付けることができません。デスクトップ型も、運用変更後に再度業務整理をする必要はありますが、部分最適のためそれほど多くの影響は受けません。費用対効果が見込む場合、先行してデスクトップ型RPAから導入することをお薦めします。

 

まとめ

 上記のことを考慮すると、全体最適を目指すための工数創出のために、まずデスクトップ型RPAで各部署、個人の業務を効率化してみてはいかがでしょうか。

 エクスが提供する『Owlgarden RPA』は、“基幹システムに強い”RPAです。現場の担当者が自分の業務を自分で自動化できる直感的なシナリオエディター、基幹システムとの連携に強いEAI(データ連携)機能や認識技術により、あらゆる業務の自動化を実現します。従来のデスクトップ型RPAでは難しい大量データの処理もEAIで克服可能です。
 

『 RPA 』の適正活用に『 基幹システム 刷新』を

 働き方改革の代名詞になりつつあるRPA(Robotic Process Automation)ですが、適正に活用するためには業務改革が不可欠です。今回は、弊社も提供している業務改革に有効な基幹システムとRPAの関係と、中小企業のRPA利用で陥りやすい問題についてご紹介します。

 

基幹システムの手が届かない範囲にRPA

 中小企業において基幹システムの刷新・導入となると、最近はパッケージと呼ばれる汎用的に利用できる機能が搭載されたシステムを利用することが非常に多くなっています。
 そういったパッケージシステムの導入では、極力パッケージの標準機能に既存の業務プロセスを合わせることが鉄則です。なぜなら、カスタマイズやアドオンを入れればそれだけシステムが複雑になったり、使わない機能が発生したり、保守やバージョンアップの際に掛かるコストが大きくなるからです。
 ただ、どうしても現状業務とパッケージ標準機能のギャップが埋められないケースがよくあります。その場合、一般的にはギャップが発生するそれぞれの業務量から費用対効果を鑑み、カスタマイズやアドオンを実施するか判断することになります。
 しかし、中小企業ではIT投資の予算が限られているため、 下図のように予算の兼ね合いでシステムの改修ができず目を瞑ってきた業務や、システム化検討対象にすら挙がらない小粒な業務がいまだ多くあります。

 
 そういったシステム化できなかった業務こそRPAの適用対象となりますが、RPAは基幹システムと比較すると安価に導入できるとはいえ、それでも中小企業にとっては少なくない投資となります。ですので、小粒な業務をいくつも効率化することで、はじめて投資対効果を発揮できるのです。 

中小企業で盛り上がるRPA~小粒な業務を現場主導で スモールスタート ~

 

業務改革とセットで考えなければブラックボックス化の危険性

 中小企業においては、特定のキーマンに属人化している業務が多数あります。
そういった業務は先述の費用対効果の観点からシステム化の対象外となっており、RPAを利用して改善したいと多くの人が考えるでしょう。ただ、その業務をそのままRPA化するべきか、業務を見直すことで効率化できないか、ということを考えなければなりません。
発注業務の効率化を例に考えてみましょう。

ある会社では外注先への発注の際、担当者が業務システムを立ち上げて発注情報を登録。その後、同仕様の過去の発注情報と比較し、金額に間違いがないか確認します。同仕様かどうかはその担当者しか分かりません。その上で注文書を印刷し承認者に回覧、捺印後に原本を外注先へ郵送しています。

 RPAを利用することで、業務システムを立ち上げ過去の発注情報と比較し、差異がある場合のみ担当者へ通知、差異がなければ印刷といったプロセスを自動化できます。
 しかし、仕様を明文化し、同仕様の発注単価をシステムでマスタ管理して、確認せずとも発注を可能にする運用を検討したり、印刷して承認するのではなく、承認プロセスの再検討やワークフローシステムの利用、EDIの導入によりペーパーレスを図ったりといった抜本的な業務の見直しも考えるべきです。短絡的にRPAだけで全てを解決しようとすると、業務改革の機を逃すと共に、属人化した業務がRPAでブラックボックス化してしまう危険性があるのです。

 

基幹システム刷新を通じてRPAの適正活用を

 業務そのものを見直すことを考えた場合、基幹システムの刷新を通じて業務全体の改善に取り組むのも一つの手です。例えば、部門間をまたぐ業務は非効率であったり属人化しがちで、RPAの適用対象になりやすいでしょう。基幹システムの刷新時には、現状業務を棚卸した上、非効率業務の見直し、分断されている業務の統合などBPR*へ取り組み、企業としての全体最適化を図ることになります。

*BPR(Business Process Re-engineering): 既存の業務内容や業務フロー、組織構造、ビジネスルールを抜本的に再設計(業務改革)すること

 そのため、部門間をまたぐ非効率・属人化した業務も、RPAを利用せずに解消できるかもしれません。基幹システムの刷新を通じて業務全体の改善、清流化・標準化の上、IT投資予算の兼ね合いで効率化できない単純作業をRPAが担うことで、ブラックボックス化を防止し、RPAを適正に有効活用できるのです。ですので、先述のシステムとのギャップを埋める業務の変革が何よりの生産性向上の近道かもしれません。

 RPAは生産性向上に非常に有効であるのは間違いありません。しかし、あくまでツールの一つであり、過信せずに自社が優先すべきことは何かをしっかり考えましょう。
 
 弊社では基幹システムやRPAをはじめ、中小企業の生産性向上に寄与するITツールを多数取り揃えていますので、お気軽にご相談ください。

 

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RPA に備わる人間の能力

 定型的なパソコン業務を自動化してくれるRPA(Robotic Process Automation)は、日本の少子高齢化社会を支える新しい労働力といわれています。そのRPAの特長について、次のように紹介されていることがあります。

  • 365日24時間働き続けることができる
  • ケアレスミスがなく作業スピードが早い
  • 辞めない、休まない、文句を言わない

 人間と比較することで、RPAという新しい労働力の強み・弱みが分かりやすく見えてきます。定型的なパソコン作業を自動化するRPAの主な機能は、大きく分けて以下のような部位の能力に例えることができます。

  1. キーボードやマウスを操作する「手」
  2. 画面から操作対象を見つける「目」
  3. 状態や条件を理解して判断する「脳」

 

RPAの『手』

 作業をするパソコンの性能にも影響されますが、キーボードのタイピングやショートカットキー操作、マウスカーソルの移動、クリックなど、RPAの「手」は既に人間の操作スピードを大幅に上回っています。さらに、ケアレスミスもなく、決められた操作を的確に処理してくれます。

 現在、日本で使われているRPA製品の操作スピードを比較しても、そこまで大きな差は見られないと思います。それは、RPAの性能より、操作するアプリケーションやWebサイト、ネット環境において、処理や読み込みを待っている時間の方が長いということが、一つの要因といえます。RPAの自動化業務スピードを上げるには、レスポンスの早いアプリケーションと5Gのような高速通信環境を準備することが近道かもしれません。

 

RPAの『目』

 ウインドウやボタン、入力フォームなど、操作対象となるUIオブジェクトを見つける「目」は、RPAの基盤となる重要な機能です。現在、ほとんどのRPAでは、表示されている画像を見つける画像認識、アプリケーションやWebページの構造を解析する構造認識の技術が使われています。

 しかし、画像認識では、操作対象となる背景やアイコン、ボタンのデザインが変更されたり、デスクトップの解像度やWebページの拡大率といった環境が異ったりすると、別の画像として認識されてしまいます。
 構造認識でも、アプリケーションのアップデートやWebページの更新により、プログラム構造が変わることで、RPAに再び操作対象を記録させる必要があるなど、人間の「目」に比べて弱いところがあります。

 また、人間の「目」は紙の書類やPDFデータのテキスト内容を読み取ることができますが、それができるRPAは少なく、別のOCR(Optical Character Reader)ソフトと連携することで自動化を実現しています。
 これからは、このようなOCR機能を標準搭載するRPAも増えてくると思います。そして、AIの進化と共に、より人間の「目」に近い認識技術を備えたRPAに発展していくと考えられています。

 OCRが最近脚光を浴びている背景について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

再び脚光を浴びるOCRとその背景

 

RPAの『脳』

 定型的なパソコン業務の自動化とはいえ、ある程度はRPAが状況を判断して処理を実行してくれます。その為には、人間が「○○の場合は○○の処理をする」ということを、一つ一つ教えていく必要があります。ルールが複雑になればなるほどRPAの自動化は開発も管理も難しくなるため、人間の「脳」と比べると、状況判断や応用力が足りない弱点といえます。
 
 最近ではそのRPAの弱点を補うために、ビジネスルールを切り離して管理・実行するBRMS(Business Rules Management System)との連携が注目されています。また、理解や分析、分類、予測、推論などは、機械学習・ディープラーニングによってAI技術が急速に進化しています。

 RPAの「脳」にAIが搭載されれば、一部の非定型業務の自動化、さらに意思決定や改善といったホワイトカラーでも高いレベルの業務が自動化できる未来は近いかもしれません。

 

人間のように成長するRPA

 このように、現在のRPAは人間の能力に比べると、できないことや弱いところがたくさんあります。しかし、既にあるOCRやBRMSソフトとの連携、これからのAI技術の進化によって、自動化できる業務の範囲は広くなっていきます。

 
 まだまだRPAに任せることができる業務は限られていますが、新入社員のようにこれから多くのスキルを身に付けて成長し、多くの業務がこなせるようになるのは間違いありません。その新しい労働力を早期に採用し、社員と同様に育てていくことが、企業を成長させる大きな力になるのではないでしょうか。

 エクスが提供する『Owlgarden RPA』は、“基幹システムに強い”RPAです。現場の担当者が自分の業務を自分で自動化できる直感的なシナリオエディター、基幹システムとの連携に強いEAI(データ連携)機能や認識技術により、あらゆる業務の自動化を実現します。従来のデスクトップ型RPAでは難しい大量データの処理もEAIで克服可能です。

2019年 IT導入補助金の最新情報第3弾!二次公募の最新動向!

 2019年7月17日より「平成30年度補正 サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金2019)」の二次公募が始まりました。昨年、一昨年と比較しながら、今年度の採択傾向と二次公募の動向を考察します。

 

2019年 IT導入補助金一次公募の採択結果

 今年度の一次公募の結果を分析し、今年の傾向を確認しましょう。今年の補助金申請では補助上限額150万円未満のA類型と補助上限額450万円のB類型に分かれています。詳細はコラム『2019年 IT導入補助金の最新情報 第2弾!新たな仕組みが導入されます』をご覧ください。

 各類型の交付決定事業者数は下記の通りです。
A類型:3756者 B類型:442者
一次公募の累計では4198者が採択されていることが分かります。
出典:サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト
   <一次公募 A類型 交付決定事業者一覧> <一次公募 B類型 交付決定事業者一覧

 A類型とB類型の比率は、約9:1の割合で採択されているのが分かります。ベンダーのITツール登録段階で、1つのITツールでB類型への申請は難易度が高く、補助申請者は複数のシステムを組み合わせて申請する必要があるため、B類型申請のハードルも少し高いことがこの割合の要因ではないかと考えられます。

 

二次公募の動向は?採択数や採択率を考察

 先程、一次公募では累計4198者が採択されているとお伝えしました。事務局公募要領では当初、6000件を予定補助件数として掲げていました。(※1件当たりの補助申請額によっては増減)当初通りの予定であれば、残り採択件数は2000件に及ばず、全体の3分の1の補助枠が残っているという計算になります。
出典:経済産業省ホームページ 平成30年度補正予算「サービス等生産性向上 IT 導入支援事業」事務局公募要領

 二次公募の予算額について

 しかしながら、IT導入補助金の今年度の予算は100億円で、1件当たりの補助申請額によって補助件数は変動するとのことなので、一次公募で使用した補助金額から、二次公募の予算額を考えてみましょう。
 
 一次公募の採択者全者が補助上限額を使用した場合、約76億円の予算を消費したことになります。
・A分類:56億円(3756者×150万円)
・B分類:20億円(442者×450万円)
すべての事業者が上限まで使用したとは考えにくいので、一昨年までの実績から、補助上限に対し、平均7割程度の補助として計算すると、約53億円が一次公募で予算消化されていると考えられます。
※2017年IT導入補助金では100億円の予算に対し補助上限100万円(補助率2/3)、
 採択件数14000件なので補助上限に対し約70%が補助されていました。
 2018年IT導入補助金では500億円の予算に対し、補助上限50万円(補助率1/2)、
 採択予定件数13万件だったので、75%近い補助率で計算されていました。

 上記の計算では事務局運営費等を考慮していませんが、二次公募では40億前後の予算が残っていると考えられます。

 二次公募の採択数や採択率は?

 2019年のIT導入補助金の予算の約4割が二次公募分として残っていると仮定すると、A類型約2500者、B類型約300者が採択される計算になります。※A、B類型の採択比率が同一の前提
 IT導入補助金の申請件数は公表されていませんが、採択予定数が一次公募に比べて7割程度に減るということと、一次公募申請に間に合わなかった事業者が二次公募へ申請し、申請数の母数が増えることから、一次公募に比べて二次公募は採択率が低くなることが予想されます。
 昨年、一昨年の二次公募はそれぞれ状況が違いましたが、今年は一昨年に近い状況になるのではないでしょうか。
コラム『平成29年度補正予算IT導入補助金二次公募開始!採択率はどのくらいか?

 

まとめ

 
 IT導入補助金2019の一次公募の結果から、二次公募の動向について考察してきました。一次公募に比べ、採択率が下がることは予想されますが、A類型であれば2500件程度の採択が予想されます(※当社予想)。申請を検討されている方は、お付き合いのあるITベンダーに相談し、早めに対応しましょう。

 今すぐ準備できることとして、以下について取り組まれてはいかがでしょうか。

経営診断ツール(サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト)
おもてなし規格認証の取得 
SECURITY ACTIONの自己宣言
 

中小企業のセキュリティ対策!